経営者のITマネジメントに必要なITスキルの必要性ITに苦手な経営者が、簡単にITに詳しくなれるのであれば、みんなITに詳しい経営者になっているでしょう。
でも自社のIT活用のために、本当に必要な経営者のITスキルとは?

ITに苦手な経営者が、簡単にITに詳しくなれるのであれば、みんなITに詳しい経営者になっているでしょう。本当はITを避けて別の強みで経営を推進していく方法があれば、その選択をした方が取り組みやすいでしょう。

ところが経営の規模が大きくなってくると、どうしても生産性の向上や、労働集約型業務からの脱却を図る必要がでてきます。

この解決手段としてはITを活用することが多いため、ITに苦手意識がある経営者にとってもITが避けられなくなってきています。

目次
1.ITスキルの必要性
2.ITの経営的な判断のため
3.IT人材との会話のため
4.ITベンダーとの交渉のため
5.まとめ

1.ITスキルの必要性

社内でITを活用することに絞って考えると、経営者はITを使いこなせるスキルを持つ必要はありません。
では経営者にとって必要なITのスキルはどのようなものなのでしょうか。
大きくは以下の3つのことを経営者が充分に対応できれば、社内でITを活用して推進していくことはできるのではないでしょうか。

ITスキルの必要性

・ITの経営的な判断のため
・IT人材との会話のため
・ITベンダーとの交渉のため

あえて誤解のないように付け加えますと、経営者にITのスキルは不要といっているわけではありません。

ITに詳しくなるほうがもちろん良いのですが、無理してひたすらITに詳しくなろうとするよりは、ITマネジメントに必要なITスキルを先につけるほうが社内のIT活用という観点では効果的で速いと考えているからです。

2.ITの経営的な判断のため

社内に適切なITを適切な時期に導入をしていくことが理想です。経営者はそのために、IT
判断をしていくことが重要です。

この判断をするために必要なITスキルは、ITの詳しい操作スキルではありません。
検討するITの全体像と主要な骨格となる機能の把握です。

これらの機能が自社に取って、
・どの程度貢献をすることが期待できるか、
・またそのための投資はどれくらいか、
・IT投資に対するリスクはどのようなことが考えられるか、
・投資に対する制約条件はどのようなものがあるのか
これらを把握することができれば、個々のIT対して総合的な評価ができるでしょう。

個々のITの総合的な比較をすることで、
・今回はある程度のリスクを取ってもIT導入を進めることがよいのか、
・効果は最大ではないもののリスクや制約条件を抑制して、無難なITを選択するほうが良いのか、
経営的な視点で判断ができるようになります。

この経営的な判断ができるようにするためのITスキルは、経営者にとって必須のスキルでしょう。

3.IT人材との会話のため

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社内にIT人材を配置したのちは、IT導入の検討や、ITプロジェクトの推進などで、IT担当とITに関する会話が増えてきます。
この会話をスムースにするために、経営者もITのスキルをつける必要があります。とくにIT担当はどうしても専門用語を使いたがりますので、会話に必要なある程度のITスキルを身に着けておく方が良いでしょう。

では、IT担当とITついて会話をするときには、どんな話題になるのでしょうか。
個々のITの細かい操作方法や実現するための細かい技術は必要ではありません。対象のITの特性や機能などが、自社のどの部分に効果があるのかといった、先ほどの判断基準に関する話題が多くなるでしょう。
またIT担当が、実際にプロジェクトを進めたり、ITベンダーと交渉をしたり、社内の調整を行うことが多いため、これらの遂行に必要な知識も必要になります。

実際にIT担当の遂行を支援するためには、実際に起きる問題や課題に対して、正確に捉えるスキルと課題の解決に向けて支援策を提案できるスキルも必要になります。

4.ITベンダーとの交渉のため

ITベンダーと交渉をする以前の話として、ITベンダーとITの会話ができるためのITスキルは必要になります。
交渉においてはITベンダーが不利になった場合に、ITベンダーが専門用語をひたすら使ってけむに巻くようなこともありますので、この時にある程度の専門用語以外を使わせないようにして対等な会話に引き戻すことが必要になります。

このある程度の会話をするために必要なITスキルが経営者には求められます。
IT用語を使わないでITの会話をするには、双方があまりにも非効率になります。
ITの特性やITの意味を全く理解しない人と、ITの専門家の会話も同様にとても非効率です。

重要なITでなければこのようなことをする機会はほとんどありませんが、重要なITにおいてはITベンダーとの適切な交渉は重要ですので、交渉のためのITスキルは自社のIT推進にとっても必須となってきます。

5.まとめ

マネジメントのためのITスキルが無い場合には、交渉や会話が上手に進まないために、結果としてITベンダーに丸投げになってしまうことが多くなります。
この状態が続くと自らITベンダーのロックインを進めてしまうことになりますので、会話と交渉のためのマネジメントに必要なITスキルはぜひ使えるようにして下さい。

最後までお読み頂きましてありがとうございます。今回のコラムが皆様の何かのヒントになれば幸いです。

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