ITマネジメントに必要なITスキルは、経営者、CIO、プロジェクトマネージャー、ITリーダーなど、立場によって求められるITスキルが異なります。
また、IT企業とユーザー企業でも求められるITスキルは異なります。まずは、IT人材が少ない、あるいはこれからIT人材を育成していく経営者に必要なITスキルを中心にご紹介します。

目次
1.ITマネジメントに必要なITスキルとは
2.ITスキルの必要性
3.ITスキルのメリット
4.ITスキルの進め方
5.ITスキルの課題
6.まとめ

1.ITマネジメントに必要なITスキルとは

経営者に必要なITスキルは、会話する相手や交渉を行う相手によって必要なITスキルが変わります。

たとえば、ホームページの作成をITベンダーに依頼するときには、ホームページのある程度の知識がないとITベンダーとスムースな会話ができません。
またホームページの基本的な特徴を理解していないと、ホームページで実現できない要望ばかり要求してもめてしまうことにもなりかねません。
ITマネジメントの観点からは、相手との会話をスムースにして、効果の高い交渉を行うために必要なITスキルと捉えてください。

また経営者が自社で導入しているシステムを、ご自身でも利用する立場である場合には、システムを利用するためのITリテラシーが必要となります。
しかし経営者がほとんどそのシステムを利用する機会がない場合には、ITを利用するためのスキルはそれほど必要がありません。
むしろそのITを導入するときに、検討しているITの特徴や、ITの期待される成果、ITの費用対効果など、ITの全体に関わる理解が、経営者に必要なITスキルになります。
このような観点からITマネジメントに必要なITスキルについて解説をしていきます。

詳細は個々のITスキルで解説をしていきますが、まずはITスキルの全体像を把握して頂くために、次の4項目の内容をそれぞれ解説していきますので、順次ご確認ください

ITマネジメントに必要なITスキル

・ITスキルの必要性
・ITスキルのメリット
・ITスキルの進め方
・ITスキルの課題

2.ITスキルの必要性

ITスキルで興味深い事例を紹介します。
新人の技術者をOJTでお客様訪問に同行させることはよくあります。
ある新人にITソリューションの内容を詰める打合せに同行させたのですが、途中で居眠りをしているような状態になってしまったため、早めに切り上げることとしました。
お客様のところを退出後に新人の技術者に状況を確認したところ、緊張してメモを取っていましたが、内容が専門用語ばかりでメモが取り切れず、会話に全くついていけなかったそうです。
まるで英語で会話をしているみたいで、そのうち頭が疲れてきてボーっとしてしまったとのことです。
慣れない言葉の会話は双方が疲れてしまいます。専門家同士は専門用語で会話をするほうが的確に会話ができますが、専門家でない人を交えて会話をするときには、言葉をかみ砕いたり別の用語を探したりしながら会話を進めますので、どうしても時間がかかります。

双方で効率の良い会話をするためにも、ベンダーとの会話や交渉のために必要なIT用語やITの知識は経営者にとっても必須となるでしょう。

ITスキルの必要性

・ITの経営的な判断のため
・IT人材との会話のため
・ITベンダーとの交渉のため

3.ITスキルのメリット

経営者に必要なITスキルを持つと以下に示すようなメリットが生まれます。
詳しくはITスキルのメリットのところで解説をしますが、概要は以下の通りです。
経営者がITを導入の検討をするときや、適切なITの判断をするときには、個々の細かな性能よりも、全体的に評価をする必要がでてきます。
つまりIT全体を俯瞰することができるようになります。
また、ITの持っている特徴やリスクもITの種類や分類からわかるようになりますので、個々のITがどこに属しているITかで、ある程度の判別が推測できるようになります。
これらのITスキルが活用できるようになると、ITをどのように生かせば良いかがわかってきます。
ITスキルが増えていくことで、このような好循環が生まれてくれば、スパイラルアップをしていくでしょう

ITスキルのメリット

・ITの俯瞰的な把握
・ITの特徴とリスク
・ITの生かし方

4.ITスキルの進め方

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ITマネジメントに必要なITスキルは、経営者やCIO、ITリーダーなどの役割で異なります。経営者はそれぞれの役割に必要なITスキルを理解しておくことで、必要なITスキルの習得やIT人材の育成に活かしていくことができるでしょう。

ITスキルの進め方

・経営者のITスキル
・CIOのITスキル
・ITリーダー、プロジェクトマネージャーのITスキル
・従業員のITリテラシー

5.ITスキルの課題

ITマネジメントに必要なスキルは、ITマネージャーであれば、最初に必要な専門スキルを初級から上級まで習得していきます。上級の専門スキルのなかには、マネジメントやプロジェクトに関わるスキルも含まれてきますので、あとは実践を通じて必要なマネジメントスキルを強化していくことができます。
このためITマネジメントのためのITスキルの教材は用意されていないのが課題です。
同様にIT技術者向けに書かれているため、ITの基礎知識や専門知識がある前提で書かれていることも課題となります。

ITスキルの課題

・ITスキルはそれぞれの分野で、初級者から上級者の資料があるが、ITマネジメント向けの資料はない。
・ITスキルは専門知識やITの基礎知識がある前提で記載されている。
・ITスキルは技術者向けの資料であるために、文言が難解

6.まとめ

経営者がITマネジメントを行うために必要なITスキルは、主に社内のIT技術者との会話や育成、ITベンダーとの会話や交渉に用いるために必要なITスキルになります、
したがって特定のITの専門知識や操作スキルなどではありませんから、ITが苦手な経営者にも取り組みやすい内容です。

最後までお読み頂きましてありがとうございます。今回のコラムが皆様の何かのヒントになれば幸いです。

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