システムの導入が増えてくると、データを連携したほうが良いという案がでてきますが、データ連携をするためには、社内の部門間連携が日頃からできているかがカギになります。

目次
1.ITシステムの活用範囲
2.データ連携とは
3.部門の壁
4.まとめ

1.ITシステムの活用範囲

最初にITを導入するときには、大きなITよりも、簡単で小さなITから導入が進みます。電子メールのようなシステムは、ひとつのITを全社で利用しますが、利用する人同士で何か連携をすることはほとんどありません。
利用する人は、ご自身のメールアドレスとメールのデータが確認できれば、メールを受けたり送ったりすることができますので、個人が利用するITツールといえるでしょう。

販売管理のようなシステムになりますと、営業員や営業事務の人が複数で利用するシステムになります。複数の人が利用するため、利用する人たちで運用するルールを決めてシステムを使っていきます。

この場合利用者はだいたい同じ組織や同じ部門の人たちであるため他の組織の人が、このシステムに関わる機会はほとんどありません。

2.データ連携とは

販売管理システムのようなひとつの業務や組織で利用するシステムを業務システムと呼びますが、徐々に社内に部門システムや業務システムを利用してくるようになるでしょう。

最初に経理システムが入り、つぎに販売システムが入り、さらに在庫システムや物流管理システムなどに広がっていくような感じです。
複数のシステムが入りだすと、それぞれのシステムで情報の入出力が発生しますが、この作業は手作業で行っていることが多いでしょう。

たとえば販売管理システムの売上情報や売掛金情報、出荷情報や請求情報などは、経理システムに同じ情報を渡す必要があります。また経理が入金情報をもっていれば、その情報を販売管理システムに渡す必要があります。
このように、それぞれのシステムの入出力の情報を連携することで、業務が回りますが、この情報は一般的には紙で受け渡しを行っています。

この情報をデータで渡すことができれば、紙管理がなくなり、手入力の手間もなくなり、入力ミスもなくなりますので、大変便利です。この機能をデータ連携と呼んでいます。

データ連携にはいろいろな方法がありますので、上手に活用すれば非常に便利な機能です。

3.部門の壁

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IT経営のなかで、企業のITに対する成熟度という見方があります。最初は小さなITから徐々に全社が使うITへと拡大をしていくのですが、この時に大きな壁となるのが部門の壁と呼ばれるものです。

データ連携をしようとすると、部門間で情報のやり取りをすることになります。紙で渡していたときは、もらった情報を都度自部門のシステムに合うように読み替えて入力をしていたため、情報の整合性がとれていなくても何とかなります。

ところがシステムが連携をするということは、両者のシステムの情報を合わせる必要がでてきます。
たとえば販売管理の商品マスタを更新するときにも、変更内容や追加情報をデータ連携がある組織に事前に連絡をして同期をとっておかないと、相手のシステムでは突然エラーが発生してしまいます。

4.まとめ

日頃から部門間の連携ができているレベルまで組織が成熟していれば、データ連携はスムースに進みますが、そうでないレベルでデータ連携を行うとトラブルとなってしまいますのでご注意ください。

最後までお読み頂きましてありがとうございます。今回のコラムが皆様の何かのヒントになれば幸いです。

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