IT成長企業は、
IT見積りの精度のために自社で詳細を決め
IT停滞企業は、
IT見積りの精度も、ITベンダーに任せる。

みなさんはITを導入するときにはベンダーから見積りを取りますが、すべてのITに対して機器を購入するような頼み方で見積りをとっているということはないでしょうか。
ITのなかには、みなさんから、こんなものが欲しいという具体的な内容を細かく出してあげないと、見積りのブレ幅はどんどん大きくなってしまうものもありますので、注意が必要です。

目次
1.見積りとは
2.見積りを必要とする各段階
3.3種類の見積りとブレ幅の範囲
4.見積りのブレ幅に対する対応

1.見積りとは

既に完成された製品の見積の時には、納入価格はこれぐらいになりますと見積もりが出せるのですが、ソフトウェアを開発するための見積もりでは、製作する製品の内容が決まっていないと、なにを作ったらよいのかわかりませんので、そもそも見積もることができません。

服で例えると、既製服は体格や体の特徴から、サイズがだいたいわかります。生地の素材や色などがわかれば、おおよそ希望する特徴がわかりますので、見積もることができます。

オーダーで服を作るときに、体のサイズを測らないまま、生地の素材や色も指定しない状態で、見積もってくださいと依頼しても、お店からは見積もりができませんと、断られてしまうことでしょう。

ソフトウェア開発の場合も、オーダーメイドで服を作ってもらうときと同じようになります。
オーダーメイドでは、体のサイズを測ったり、服の余裕度や、素材など、事細かな内容を示したりしますが、ソフトウェアも同じように、開発する製品の細かな内容をベンダーに伝えることで、初めてソフトウェアを見積もることができるようになります。

ところが細かな内容が決まっていない状態なのですが、予算を確保するために、粗くても良いのでだいたいの見積りが必要となることもあります。
この場合には、超概算見積として、見積もりを依頼します。

ソフトウェア開発の場合で、超概算見積を取るためには、製作する内容の大枠を固めたうえで超概算見積の依頼をかけます。

2.見積りを必要とする各段階

ところで、ソフトウェア開発のような見積もりには、超概算見積、概算見積、確定見積というような、検討する過程によって得られる見積もりの内容が異なります。
見積りを必要とする場面は、導入の検討が進む以下の工程の中で発生します。

予算策定段階

まだ詳細の内容は固まっていないものの、予算をとるために見積をとることがあります。この段階で取得できる見積りは、超概算見積りになります。

ベンダー選定段階

ある程度作成する内容が固まり、発注ベンダーを選定するときに、取得する見積りは概算見積りになります。

契約締結段階

ベンダーの選定が決まり、実際に開発する内容の詳細を詰めたのちに、ベンダーとの契約となりますが、契約金額を確定するために取得する見積りが確定見積りになります。

3.3種類の見積りとブレ幅の範囲

見積りを入手するタイミングが異なるため、見積もりを依頼する内容の精度が異なります。
このため得られる見積りの精度も異なりますが、それぞれの見積りの精度はおおむね以下の通りです。

超概算見積り

超概算見積りのブレ幅は、+100%~-50%くらいです。
つまり当初金額の2倍から、半額くらいの開きがある見積りになります。

概算見積り

概算見積りのブレ幅は、+50%~-25%くらいです。
ベンダーを選定する段階においても、5割増しから2割5分引きくらいの開きがあります。

確定見積

確定見積りのブレ幅は、+10%~-5%くらいです。
契約前の段階になっても1割くらいのブレ幅は残っています。

ただし、見積書にはこの3種類が明確にわかるようにベンダーから提出されないため、少し見ただけでは見積もりの精度の判断がつきません。

4.見積りのブレ幅に対する対応

具体的な見積書には、前提条件や制約条件として、いろいろと記載がされていますので、内容を詳細に見ていけば、どの程度の見積り精度かがおおよそわかります。

たとえば、

  • この見積書では契約はできません。
  • 前提条件に沿った見積内容となっています。
  • 前提条件が変更になる場合は、再見積もりが必要です。

など、分からない部分は仮の前提で見積もっているため、前提条件が異なれば見積り金額も変動しますといった内容が多いですね。

このように、見積りを取得するタイミングで、ブレ幅が変わりますが、見積りの詳細を確認していかないと、見積りの精度はわかりにくいため、見積りを取得する時期によって、最大2倍程度の差が出ることを踏まえて、予算や価格を把握しておけば、柔軟な対応が可能となります。

また内容をはっきりしないまま見積りの取得を進めると、結局損をするのは発注する企業のほうになりますので、時期に合わせてしっかり細かいところを決めていきましょう。

なお、いちから全部細かい内容を決めて開発をしていくのが難しい場合には、パッケージのソフトウェアなどの完成品を上手に組み合わせたり、少しだけ直してもらったりして進めることも、見積りの精度を簡単に高める点では良い方法ですのでお勧めです。

3種類の見積りについては、プロジェクトマネジメントのデファクトスタンダードであるPMBOKの記載をもとに作成しています。
PMBOKは4年ごとに、本が更新されていますが、上記の数字も少しずつ変化しています。
最新の第6版の資料では、
プロジェクトの立ち上げ時は+75%~-25%、確定見積りは+10%~-5%の精度

となっています。
見積りの取得段階としては、3段階がわかりやすいため、このブログでは以前の数値で説明しています。

最後までお読み頂きましてありがとうございます。今回のコラムが皆様の何かのヒントになれば幸いです。

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