IT成長企業は、 ITが、自社経営の成長を強く支援し、   IT停滞企業は、 ITが、ベンダー経営の成長を支援する

あたりまえのような話ですが、ITベンダーマネジメントができていないと次のようなことがおこります。
IT導入を計画して、ベンダーを選定し、実際にITを導入していくまでの過程で、ベンダーと繰り返し交渉をしていると、いつのまにかITを導入することが目的となってしまったという経験はありませんか。

目次
1.IT導入の目的
2.自社に必要な機能の整合性
3.ITの必須機能の絞り込み

1.IT導入の目的

IT導入を計画するときには、いままで不自由だと感じている課題や、コミュニケ
ーションが充分取れないと感じている課題などに対して、ITを導入することで課
題に対する改善や解決が期待できるところから開始します。

そこで、導入の目的や導入後の利用方法や効果などを検討して、具体的なIT
の検討に入ることが一般的な進め方だと思います。
ところが具体的な検討に入り、ベンダーからの提案や、製品やサービスの比較検討を始めると、いつの間にか製品やサービスの機能や性能に関心が移ってしまい、機能の優位性や利用するかが不明であっても単に機能の種類が豊富というように判断基準が変わってしまう場合がよくあります。

特に複数のITや複数のベンダーを比較する際に、絶対に必要な必須の機能と、
あった方が良いレベルの機能、利用するかわからない機能に対して、しっかり
重みづけをして比較することが重要です。

2.自社に必要な機能の整合性

ベンダーから提出された機能一覧を比較して、自社に必要な機能の整合性を考慮
しないまま導入を進めた場合、または性能の良いと思われるITのみの検討で導入して
しまった場合、導入後にどのようなことになってしまうのでしょうか。

・たまたま必要な機能が充分盛り込まれていた場合
 標準的な機能であれば、どの製品やサービスを導入しても、ほぼ機能を備えている
 場合が多いので導入により大きな成果を発揮することができます。
 とてもラッキーな状況です。

・必須である機能が不足していた場合
 せっかく製品やサービスをを導入して、生産性を向上したり、効率を良くする
 予定だったものが不足している機能のために、導入後に自動化が図れなかったり、
 イレギュラー処理が残ってしまうことをよくお聞きします。このため充分な費用対効果
 が期待できない状況に陥ります。

・必須でない機能が多く盛り込まれていた場合
 オーバースペックの状態となってしまい、本来投資しないで良かった
 費用を導入時には投資することになります。ただ求めていた機能は利用できますので、
 成果としては上がります。

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3.ITの必須機能の絞り込み

実際の導入には、このような状況が混在しますので、実態はますますとらえにくくなり
ます。
特に必須の機能が盛り込まれていなくて、オーバースペックである場合は導入
後の影響が大きく大変な状態がいつまでも続いてしまいます。

必須の機能の選定と、その機能が盛り込まれているかは、ベンダーでは判断が
できない場合がほとんどですので、この項目は発注する側でしっかり確認を
する必要があります。

ITの導入は良くわからないし、どれも同じようなものと考えていませんか。経営
者の皆様がITに詳しくなる機会も少ないと思いますが、企業にとって業務を進め
ていくうえで何が重要な機能かはわかると思います。

この視点でITの導入を考えてみてはいかがでしょうか。
そうすればITはもっともっと経営に役立つ強力な右腕となってくれるで
しょう。

皆様のITは経営を支援する右腕となっていますか?

最後までお読み頂きましてありがとうございます。今回のコラムが皆様の何かのヒントになれば幸いです。

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