どんぶり経営標語

みなさまはITを、経営を飛躍させる翼のようにしたいと思うかたは多いと思いますが、その一方でITを単なるツール(道具)のように扱っているということはありませんか?

目次
1.どんぶり経営
2.ITのどんぶり経営状態
3.ITのどんぶり経営状態からの脱却
4.情報系システム
5.基幹系システム
6.まとめ

1.どんぶり経営

経営の数値をしっかり把握しないで経営を行っている状態をどんぶり経営と表現することがあります。
どんぶり経営は「ずさんな経営」とか「いい加減な経営」とみられますが、いままで経営数字をしっかり見ていなくても経営が順調な状態が続くと、だいたい売上や経費がこれくらいだったら利益は確保できるものと思ってしまいます。

しかし外部の環境が変わってきたり、海外の影響が入ってきたりしても、経営数字の推移を細かく見ていないとすぐには気が付きにくいので、どうしても手を打つことに遅れが生じてしまいます

2.ITのどんぶり経営状態

ITが得意な経営者は、ITの導入状況や、ITのリプレースなど全体の状況や外部の変化を的確に把握して、ITの活用をタイミングよく行うため、ITが経営に貢献するところが大きくなります。

ITが苦手な経営者のなかには、いままでITに頼らなくても、経営は順調に推移してきましたので、ITを気にする必要はなかったかもしれません。しかし、これからはITを活用していかないと、徐々に他社との差が開いてくるような危機感も生まれてきています。
ところがITが苦手な経営者のなかには、とにかくITを入れればなんとかなると思ってしまうような傾向があるのではないでしょうか。

でもこれってどんぶり経営の経営状況と同じですよね。

そのためITを翼のように使うためには、ITが苦手な経営者であっても、ITのどんぶり経営状態からの脱却を図る必要があります。

3.ITのどんぶり経営状態からの脱却

ITの苦手な経営者は、「それってITに詳しくなることじゃないの!」と、思われたかもしれませんが、そんなことはありませんのでご安心ください。
じつはITのどんぶり経営からの脱却は、ITに詳しくなることよりも、ITをしっかりマネジメントできることのほうがはるかに重要なのです。

ITをマネジメントするために、ITには大きく2種類のITがあることをご理解ください。
ひとつはITを道具として扱っても大丈夫なITです。
もうひとつはITを道具として扱うとひどいことになるITです。

例として社内に導入する情報システムで解説します。
情報システムには、情報系システムと呼ばれるシステムと基幹系システムと呼ばれるシステムがあります。
ただITの種類がどんどん広範囲になっているのと、情報系システムと基幹系システムの垣根もあいまいになってきていますので、厳密に区別をすることも難しくなっています。
しかし、ITを道具として扱えるのか、扱えないのかという判断基準として、考えた場合には、情報系システムと基幹系システムという区分をすることで、分かりやすい判断ができます。

そこで、今回はITと道具として扱えるのかどうかの判断をするための指標として、ご紹介します。

4.情報系システム

情報系システムとは、主にコミュニケーションの強化や事務処理の効率化など、業務を取り巻く部分に利用されるシステムになります。
もう少しイメージしやすい特徴としては、システムが停止した時に、たちまち仕事が止まってしまわない、あるいは代わりの手段があるシステムと言っても良いでしょう。

電子メールシステム、グループウェア、社内SNSなどが代表例ですが、部門内だけで利用しているシステムも情報系システムに分類されます。

これらのITシステムは、道具として扱っても比較的大丈夫なITになります。
いざとなれば代わりの手段があるということは、長期的に見れば、他のITやもっと良いITがでれば、入れ替えもしやすいITになります。

微妙な例もご紹介します。
業務の手作業を自動化するRPAも一般的には情報系システムになるでしょう。部門で導入される場合も多く、もし停止した場合に最悪手作業でリカバリーできなくはないからです。

しかし万一の時に手作業でカバーできないほど、RPAの範囲が拡大している場合や、他の基幹システムとの連携の自動化でRPAを利用しているような場合には、RPAを基幹系システムの一部と考えるほうが妥当な場合もあります。

5.基幹系システム

基幹系システムは業務と直結した情報システムになります。製造業でしたら、生産管理システムや在庫管理システム、販売業でしたら販売管理システムなどが基幹系システムになります。
一般的には、会計システムや人事システムも基幹系システムに含まれますが、経理処理や人事管理などは、比較的定型的な処理手順で行う場合が多く、自社の独自部分は比較的少ない情報システムといえます。

このなかで、道具として扱うとひどいことになるITは、特に独自性の高いシステムが対象となります。
先ほどの基幹システムでは生産管理システム、在庫管理システム、販売管理システムなどが対象ですが、ITを単に道具として導入してしまうと、あとあと業務に大きな影響がでてくることが多いITになります。

6.まとめ

この理由については、別のコラムで詳しく説明を致しますが、まずは基幹系システムのなかで「独自性の高いITは要注意」とするだけでも、ITのリスク判別はかなり楽になります。

ITをどんぶり経営状態にしない第一歩は、情報系システムと基幹系システムの区分けと、その中でも「独自性の高いITは要注意」を分けることで、IT分類の重要なところが可視化できるようになります。
ぜひITの検討の際には、意識してみてください。

IT判別の方法や、ITが持つ特性などは、ITマネジメントのなかで、いろいろと取り上げていますので、ぜひ他のコラムもご覧ください。

最後までお読み頂きましてありがとうございます。今回のコラムが皆様の何かのヒントになれば幸いです。

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