ITに詳しい経営者は、ITの種類が多いこともITベンダーの種類が多いことも熟知していますから、必要なITに対し適切なITベンダーを必要な部分だけ調達して費用対効果の高いIT活用を進めることができます。
しかしITが苦手な経営者にとっては、ITベンダーと会話をすること自体が難しい状況に陥ることもあります。
しかしITに苦手な経営者がITの深い専門知識をつけることも困難であり、ITベンダーの活用はジレンマの状態となります。

その打開策のひとつの方法として、当事務所ではITベンダーマネジメントの活用をお勧めしています。

目次
1.ITベンダーマネジメントの必要性
2.ITベンダーの適切な選択
3.ITベンダーとの信頼関係の構築
4.期待するITの入手可能性を高めるため
5.IT導入プロジェクトを円滑にすすめるため
6.IT導入後もベンダーと良好な関係を継続するため
7.まとめ

1.ITベンダーマネジメントの必要性

重要なITであればあるほど、ITベンダーの役割も重要になってきます。
しかし、ITベンダーが必要なITを開発または構築するためには,真に希望するITの内容をITベンダーに適切に伝える必要があります。
ところが実際の会話では、ITベンダーから経営者に、ITの内容を仕様の形で伝えられても、専門用語ばかりを並べ立てられても、経営者は要望する内容とITが合致しているか、なかなか判断することができません。
このようなことが続くと、検討が時間切れとなってしまったり、内容が充分伝わらずに齟齬が起きたりしていきます。

ベテランのCIOがいれば、これらの点をカバーできるのですが、いない場合はITプロジェクトのリーダーやIT担当がその役割を負ってしまいます。
ITリーダーがベテランであれば、ベンダー対応もある程度カバーできますが、IT担当ではとても荷が重い役割です。

そのためITの担当や組織が充分に成長していない段階では、経営者がこの重要な部分をカバーせざるを得ません。
そこで経営者にはITベンダーのマネジメントが必要となってくるのです。

2.ITベンダーの適切な選択

最終的には適切なITベンダーの選択に進みますが、その前に候補となるITベンダーの選抜ができないと適切なベンダーを選ぶことができません。
既にお付き合いのあるITベンダーがいれば、まずはそのITベンダーが候補となるでしょう。しかし、経営者のみなさまはそのITベンダーがどのような種類のITベンダーかを充分に把握できているでしょうか。

頻繁に営業にくるから良いITベンダーだとか、付き合いが長いから安心だとかで判断されていませんでしょうか。
製品を納めるだけのITベンダーであれば、ITを納品することが仕事になります。
しかしITはネットワークの機能がすすみ、クラウドサービスのようなハードを持たないものが多くなってきています。

これからのITは、製品を納めて終わるようなITはほとんどなくなってくるでしょう。

3.ITベンダーとの信頼関係の構築

良いITベンダーが見つかれば、導入するITを通じて信頼関係の構築ができます。
ITベンダーとの関係は、ITベンダーの担当、責任者、役員など各層別に関係性を構築できれば、双方で良好な関係を築いていくことができるでしょう。

経営者はITベンダーと経営視点でのITベンダーのマネジメントを進めることで、ITベンダーからは、ITの専門家ではないもののITベンダーの特徴や特性をよく理解した経営者とみられることでしょう。

4.期待するITの入手可能性を高めるため

これだけITが複雑で領域も広くなってくると、1社ですべてのITを対応することは困難になってきます。
とはいうもののITベンダーを安易に増やすことも、長期的なITベンダーとの関係構築の観点では望ましくなく、ある程度信頼できる取引先を絞っておくことが望ましいでしょう。
良好な関係が複数のITベンダーと構築できていれば、期待するITを入手できるようになるでしょう。

この時のITベンダーの選択の条件は、要望するITに対しそれぞれのITベンダーの提案するITがどの程度の成果を期待できるかを比較して検討することになります。
ITの得意、不得意が100点または0点で評価できれば、ITベンダーの選択は容易ですが、実際にはそんなに簡単ではありません。
また単純に技術力だけで決まるわけでもなく、日頃の関係性やサポート、教育など複数の要素で、ITベンダーを評価することで、各ITベンダーを適正に比較することができるでしょう。

5.IT導入プロジェクトを円滑にすすめるため

ITベンダーとは発注前も発注後のプロジェクトの遂行中でも、いろいろなところで、条件交渉になることがあります。
ITベンダーから無理な要求がきても困りますし、自社が過大な要求をすることも無理があります。

契約の方法もできるだけ自社に有利な契約方式が望ましいのですが、そもそもITの開発内容にあいまいさが多く残っている場合には、そのような要求も難しくなります。
そのため自社で事前に検討できる部分はしっかり検討をし終えてから、ITベンダーと契約や開発方法等のディスカッションに入らないと、どんどん不利な条件交渉に陥ってしまう場合がありますので、気をつけてください。

ITプロジェクトを円滑に進めるためには、ITベンダーと対等に会話ができる条件を事前に整えておくことがITベンダー対策として重要になります。

6.IT導入後もベンダーと良好な関係を継続するため

重要なITは開発が終わり、ITの導入が完了しても、ITベンダーとその後の関係性がなくなることはほとんどありません。
導入後の運用や、保守、トラブル対応、セキュリティ対応、システムの改修など、いろいろな場面で関係が発生していきます。

そのためITベンダーの評価は、導入後の運用や保守までを含めたシステムのライフサイクル全体で判断すればより適切な評価となるでしょう。

7.まとめ

自社の重要なITを活用していくためには、ITベンダーは欠かせません。そのため、経営者にはITベンダーを適切にマネジメントしていくことが求められます。
ぜひITベンダーマネジメントを意識して、信頼のおけるITベンダーと長期的に良好な関係を築いて、自社のIT活用がすすむようにしていってください。

最後までお読み頂きましてありがとうございます。今回のコラムが皆様の何かのヒントになれば幸いです。

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