ITベンダーマネジメントのメリット重要なITを導入するときには、大きな導入効果も期待できますが、一方で導入に伴うリスクも大きくなりす。ITベンダーマネジメントはリスクを回避し導入効果を・・・

重要なITを導入するときには、大きな導入効果も期待できますが、一方で導入に伴うリスクも大きくなります。
ITが導入されてもそもそも期待していた成果がでなかったり、ITのシステムが完成しなかったりするリスクもあります。
納期が大幅に遅れるリスクや、コストが増加するリスクもあります。
導入後では、使えない機能があったり、運用コストが大幅に増加したり、IT導入においてはベンダーを取り巻くリスクが数多くあります。

目次
1.ITベンダーマネジメントのメリット
2.IT導入リスクの回避
3.IT投資効果の最大化
4.ITベンダーとの適切な関係
5.ITベンダーロックインの回避
6.ITベンダーの適切なコントロール
7.まとめ

1.ITベンダーマネジメントのメリット

ITベンダーを取り巻くリスクが多いのは事実ですが、これらのベンダーを取り巻くリスクの多くはITベンダーのマネジメントができていないことが一因であることもあります。
前述のリスクについては一例ですが、ITベンダーのマネジメントをしっかり行うことで、ベンダーを取り巻く多くのリスクを軽減できるようになりますので、実に多くのメリットがあります。

今回は、ITベンダーマネジメントの主なメリットとして以下の項目について解説をしていきます。

ITベンダーマネジメントのメリット

・IT導入リスクの回避
・IT投資効果の最大化
・ITベンダーとの適切な関係
・ITベンダーロックインの回避
・ITベンダーの適切なコントロール

2.IT導入リスクの回避

ITベンダーのプロジェクトは、ITベンダーへの発注時から開始し、ITの受入れ検収が終わるまでになります。
しかし会社のIT導入プロジェクトにおいては、IT導入の検討からプロジェクトが開始します。
その後開発が進み、実際にITが導入されたのちに、計画通りITが従業員に利用され、目的とする生産性や効率性の向上が確認されたことをもって、IT導入のプロジェクトは完了します。

つまり最初のITの導入検討内容の段階では、ITベンダーは関わっていません。
そのため自社内で、作りたいITの内容をベンダーに的確に伝えることを整理しておくことになります。
そしてITが完成したのちに、つまりITの検収が終わり、ITベンダーが離れたのちに実際の生産性や効率性の効果を確認することになります。
最初の前半部分は社内のプロジェクトマネジメントが中心になりますが、IT導入段階になりますと、社内のITプロジェクトと、ITベンダーのIT構築プロジェクトが並行して進みます。

ITベンダーとの関係をITプロジェクトとして進めることが多いのですが、経営書としてはITベンダーをマネジメントする視点でイメージするほうが、わかりやすいのではないでしょうか。
経営者はITベンダーのプロジェクトの遂行を重要なポイントごとにマネジメントしていくことでIT導入のリスクを回避し、ITリーダーやマネージャーはITプロジェクトの進捗を通じてIT導入リスクを回避し、総合力でIT導入リスクの軽減を図っていきます。

3.IT投資効果の最大化

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IT投資効果の最大化は、ITベンダーにすべてが掛かっているわけではありませんが、ITベンダーが重要な役割を負っていることも事実です。
そのため、ITベンダーに関わる部分において、経営者がITベンダーをしっかりマネジメントをすることで、IT投資効果の最大化を図っていきます。

たとえば、機能が不十分なITを提案されないようにしたり、反対にオーバースペックのITも提案されたりしないように日頃からITベンダーとの信頼性を構築していきます。
特に検討をしているITが、日頃からお付き合いをしているITベンダーの専門ではないために充分に対応できないような場合に、特段の注意が必要になります。

4.ITベンダーとの適切な関係

ITベンダーは多くの取引先とITの設計や開発を、同時進行で複数実施していることが普通です。そのため、同時に進行しているITの納期や優秀な技術者の配置時期などを適宜調整し、全体のリソースを効率よく配分しています。
このようなことから、日頃からITベンダーとの良好な関係が築けていない場合には、納期が遅れやすくなったり、技術者の配置が思うようにいかなかったりして、プロジェクトのいろいろな点で支障が生じる可能性があります。

ITベンダーとは、日頃から良好な関係を構築しておくことが望ましいでしょう。

5.ITベンダーロックインの回避

ITベンダーをしっかりマネジメントをすることは、ITベンダーに丸投げをしない状況を作ることにほかなりません。
IT導入やシステム開発の重要なポイントでしっかりマネジメントをすることで、ITベンダーへの依存度が減り、自社の役割もしっかり進めることで、ITベンダーのロックインは自然に回避できることになります。

6.ITベンダーの適切なコントロール

ITベンダーのマネジメントは、ITプロジェクトのモニタリングとコントロールによって行います。ITプロジェクトのモニタリングは、経営者にとって特に重要なフェーズやポイントとなる部分において、詳しく状況を把握することが効果的です。つまり常に見ているという監理という状況がモニタリングになります。
もし納期や品質で見直しが発生した場合や、どうしても仕様の変更を行わなければならない状態が発生した場合などにおいては、ITベンダーと自社の関係者を交えて交渉をおこなうことになります。
状況をしっかり監理し、ベンダーを管理することで、プロジェクトを成功に近づけていく活動になります。

7.まとめ

重要なITの導入において、ITベンダーの協力は不可欠です。ぜひ良好な関係を築いて、ITプロジェクトを成功に導くためにも、ITベンダーマネジメントを活用していって下さい。

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