ITプロセスマネジメントの進め方

ITプロセスマネジメントは、IT導入をする際に、さきに自社内の業務プロセスを洗い出して、プロセスをきれいにするために実施します。ITに関連する業務プロセスを洗練化したのちにシステムへ反映をするほうが、業務の効率化や生産性の向上が期待できるからです。

目次
１．ITプロセスマネジメントの進め方
２．業務プロセスの可視化
３．業務プロセスの分析
４．新たな業務プロセスの設計
５．新システムへの反映と評価
６．継続的改善活動
７．まとめ

１．ITプロセスマネジメントの進め方

ITプロセスマネジメントは、ITの検討範囲の周辺が対象となりますが、実際に進める方法としてはビジネスプロセスマネジメントや業務改善の手法と同じ流れになります。
実際には以下の手順で進めることが多いので、以下のそれぞれについて解説していきます。

ITプロセスマネジメントの進め方

・業務プロセスの可視化
・業務プロセスの分析
・新たな業務プロセスの設計
・新システムへの反映と評価
・継続的改善活動

２．業務プロセスの可視化

業務プロセスが可視化をされていない状況の場合は、業務プロセスを可視化するところから始めます。ベテランの人が過去の経験でその都度判断をしているような場合には、仕事はしっかりできているのですが、業務プロセスはしっかり決まっていないこともありますので業務プロセスを決める作業から始めて、まずは誰でも見えるように可視化を行います。

業務プロセスがあいまいなままシステム化すると、システムで対応ができない部分が残ってしまい、システム化の効果を下げてしまいます。
あまり使い勝手が悪いと最悪な場合はシステムを入れても利用されないようなことも起こります。

３．業務プロセスの分析

業務プロセスの可視化ができると、だれでも業務の流れがわかるようになります。業務の流れでボトルネックとなってしまうところはないかとか、業務プロセスが他部門に渡るときの連携が順調に進む仕組みとなっているかなどを分析します。
特に日頃は他部門の業務の接点が少ないことと、他部門の人がどんな業務をしているかを知る機会が少ないため、今の業務プロセスが他部門との連携に影響があると知る機会はほとんどありません。

その点では、業務プロセスを可視化して、他部門の業務を知ることだけでも、大きな意識改革になります。

４．新たな業務プロセスの設計

分析により明らかとなった課題を解決する新たな業務プロセスを設計します。業務の順番を変えたり、不要な業務を廃止したり、工数のかかっているところをシステムで自動化するなどの方法を検討します。
業務プロセスを再設計するときには、変更による効果はしっかり検討をするのですが、変更によるネガティブ面の検討がおろそかになりがちです。

たとえば業務の順番を変えることで、その業務をする部門が変更になることがあります。全体として大きな工数の削減が期待できるとしても、新たに業務を受ける部門の仕事は増えることになります。
このような場合には、社内で全体最適化の仕事の理解ができていないと仕事が増える部門からは反発や不満がでてきますので、注意が必要です。

５．新システムへの反映と評価

新たな業務プロセスを新システムに反映して、課題が解決されているかを確認します。また変更により新たに不便なところがないかなどを実際に確認していきます。

新業務プロセスの評価と新システムシステムの効果を評価します。当初計画していた新業務プロセスの通り運用が可能かを確認し、期待した業務負荷となっているかを確認します。また、システム化による利用者のITリテラシーの課題などがないかも確認していきます。もし社内にITリテラシーの不足がある場合は、不足をしている部分の教育を計画したりすることで、対策を検討します。

システム化による大きな問題が無ければ恒常的な施策として継続します。

６．継続的改善活動

新たな課題が発生したり問題が発生したりした場合は、再度業務プロセスの分析に戻して再度検討を行います。このプロセスは、通常の業務プロセスマネジメントのPDCAサイクルと同じになりますので、日頃から業務改善活動を行っている企業であれば、この中に業務プロセス改善を加えることで継続的な業務プロセス改善が回るようになります。
この活動を繰り返すことで継続的な改善につなげていきます。