業務プロセス変革

IT人材には、IT導入においてプロジェクトのリーダーの役割をすることがあり、プロジェクトリーダーまたはプロジェクトマネージャーの資質が求められます。
ところが、IT導入を進めていく初期段階には、現在の業務プロセスと新システムの業務プロセスを検討する場面があります。
このためIT人材は、業務プロセスの変革という役割も負うことになります。この場合IT人材には変革リーダーの資質が求められます。

目次
1.業務プロセスの変革とは
2.業務変革リーダーの役割
3.コンフリクトマネジメント
4.抽象化と詳細化
5.まとめ

1.業務プロセスの変革とは

業務プロセスは、お客様のニーズが変わったり、環境が変わったりすることで、徐々に現行の業務プロセスと実態が合わなくなってきます。
そのため、業務プロセスは継続的に見直して、新たな業務プロセスに適宜更新をしていくことが望ましいのです。

しかし業務プロセスを長期間使い続けると、使い慣れた業務プロセスを更新していくことに反対する従業員が現れ、業務プロセスを容易に更新してことが困難になります。
このような場合には、経営者や業務変革リーダーには、業務プロセスの変革を推進する資質が求められます。

2.業務変革リーダーの役割

業務プロセスに対して継続的にPDCAを回して、業務プロセスを時代に合わせて更新していく役割が業務変革リーダーの役割になります。

定期的に課題を収集して解決策を立案することはもちろんですが、役割として最も期待されていることは、業務プロセスの変革の推進役のリーダーになります。

3.コンフリクトマネジメント

新たなシステムの導入検討で業務プロセスの検討を行っていると、必ずと言ってよいほど、現状の業務プロセスと新システムの業務プロセスで衝突が発生します。
この衝突を解決する手法はいろいろありますが、今回はコンフリクトマネジメントの例をご紹介します。
コンフリクトとは、相反する意見、態度、要求などがあり、双方が互いに譲らずに緊張状態となってしまうことで、業務プロセスの検討の中でたびたび発生します。
コンフリクトマネジメントはこのような状態になったときの解決方法で、理想の状態は双方がWIN-WINで解決されることとしています。

コンフリクトマネジメントで代表的な解決例のお話をひとつご紹介します。

ある姉妹がいました。
母親がひとつのミカンを姉妹に与えて、仲良く分けて食べるように言いました。
ところが、姉と妹のどちらも分けるのは反対で、ひとつのミカンを全部欲しいと言って収まりませんでした。
姉妹でいろいろと話し合ったのですが、どうしても解決する案はでません。
最後に妹は泣き出す始末です。

しょうがないので、父親が姉と妹に、どうして全部が欲しいかをたずねました。
そうすると、姉はマーマレードを作りたいので皮が全部欲しいとのことでした。
妹は、身をたくさん食べたいとのことでした。

そこで父親は姉に皮を渡して、中身は妹に渡して、めでたしめでたしというお話です。

実際にこんなにうまく収まる例は少ないのですが、現状では解決策は全く見えていない状況においても、詳細に内容を確認すると、状況は変化し、WIN-WINの解決策の糸口が見つかる可能性があるということです。

4.抽象化と詳細化

この例で、情報システムに関係する人にはわかりやすいシステム開発に当てはめてみます。
IT担当の人には、システムと似ているところがあり説明が伝わりやすいのです。
システムを検討するときに、現状の仕組みを図式化する方法に抽象化と詳細化という手法を用いることがあります。

抽象化

抽象化とは、現状よりもっと一般的な状態またはもっと上位レベルでみるとどうなるかを考える方法です。

たとえば、先ほどのミカンを抽象化すると柑橘類というもっと広い対象になりますし、もっと大きな捉え方をすれば果物ということにもなるでしょう。

詳細化

詳細化とは、現状よりもっと具体的に考えてみるということで、先ほどの例のように詳細に深堀をして内容を確認する方法です。

詳細化をすると、ミカンは外側の皮の部分と、内側の身で構成されている。というような感じです。

さらに詳細化をしていけば、どんどん細分化をしていきますので、細かいところがみえるようになってきます。

じつはシステムの図式化における抽象化と詳細化の考え方やものの見方は、コンフリクトマネジメントの視点移動に非常によく似ていますので、慣れてくるとどちらにも役だちます。

業務プロセスの問題の多くは、部門間同士のこだわりであったり、現状のプロセスが特殊であるという認識であったりすることが多くあります。

このような場合、部門のひとつ上の立場(抽象化)で双方が考えてみますと、部門間の問題が、上位の共通レベルの立場で考えることができるようになってきます。

反対に現状のプロセスを詳細に分析して、一般の業務プロセスと比較して確認をしていくと、プロセス全体が特殊と見えたものが、ほんのごく一部が特殊であったということがわかったりすることもあります。

このように、まったく解決方法が見えないような場合において、問題の視点を抽象化してみたり、詳細化をして問題点をピンポイントにしたりすることで、問題の解決がしやすくなります。

5.まとめ

業務変革のリーダーには問題解決能力として、問題を解きほぐしていったり、共通の問題に見えるような抽象化のスキルを駆使したりして、問題解決を推進していく力が必要となります。

最後までお読み頂きましてありがとうございます。今回のコラムが皆様の何かのヒントになれば幸いです。

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