IT成長企業は、
ペーパーレスが紙のメリットを上回り、
IT停滞企業は、
紙のメリットがペーパーレスを阻害する

ペーパーレスを推進すると、メリットとデメリットがいろいろと衝突します。メリットを拡大していくためには、デメリットの部分を仕組みやITでペーパーレスの部分をカバーしつつ、スローペースでじっくり取り組んでみませんか。

目次
1.ペーパーレスの課題
2.ペーパーレスのメリット
3.ペーパーレスのデメリット
4.ペーパーレスの難しさ
5.ペーパーレスのスローペースの推進

1.ペーパーレスの課題

中小企業の経営者の皆様の中には、ペーパーレスと聞くと「うちはそんなレベルじゃないし必要がない」と言われる方もいます。

ペーパーレスというと、大上段に構えて全部紙をなくすような方針を立てると、なかなか思うように進みませんし、みなさんからの反発も多くて頓挫してしまったという例もよくお聞きします

実際に業務プロセスを確認して、ペーパーレスが可能なところを確認していくと、中には紙で業務を進めた方がスムースに行くところはいろいろとありますし、そのようなところをむりむりペーパーレスにするとかえって効率が落ちることにもなりかねません

ペーパーレスという言葉で改善やプロジェクトを始めますと、実行するみなさんは、「紙をなくす」ことが目的となります。

紙をなくすために、多少でも不自由なことをしたり、プロセスを変更したり、いままで何の問題もなかった方法を変更することとなった場合には、実施する人にとってモチベーションがなかなか上がりにくい状況になります。

2.ペーパーレスのメリット

  • 紙がなくなるので、机の上がきれいになる。
  • 資料の保管場所が少なくなるので、保管場所の有効利用が図れる。
  • 紙がデータ化されるので、資料を探すのが早くなる。
  • 紙の紛失や、誤って廃棄することがなくなりセキュリティが向上する。
  • 紙がなくなるので、コピー代が削減できる。

3.ペーパーレスのデメリット

しかし実際にはデメリットもあるはずですので、デメリットをあえてあげるとすると、以下の内容などがあるかと思います。

  • メモや付箋まで使えなくなると、机の上はきれいになっても不便である。
  • 機密情報などの重要情報は紙管理の方が安全である。
  • 紙がデータ化されるため、ITスキルが弱い人には、利用するための負担が大きくなる。
  • 資料を検索できるためには、検索スキルを必要とする。検索スキルの低い人は今までより時間がかかる。
  • データを誤って消してしまうリスクがある。
  • セキュリティを守るためには、ITセキュリティの基本的な知識が必要となる。
  • 紙がなくなっても、プリンタから印刷できるので、削減効果は低いのではないか。

などがありますが、内容をよく見てみるとメリットを裏返したようなデメリットとなっていることに気づかれた方も多いことと思います。

つまり、一般に言われているメリットは恩恵を受ける方のみであって、恩恵を受けにくい方はデメリットが目立ってしまうということではないでしょうか。

ここにペーパーレスがなかなか進まないヒントが隠されているのではないでしょうか。

4.ペーパーレスの難しさ

ペーパーレスを進めることは、紙データのデータ化が基本になると思いますが、紙がデータになった場合、利用者が実際に触れることのできるITスキル、セキュリティなどの基本知識、操作に問題が起きた場合のフォロー体制など、事前の準備が重要になります。

また、紙のデータ化をするためには、サーバー等にフォルダを設けることになりますが、特に運用ルールも決めずに、個人ごとに紙をデータ化して長期間運用するとどのようなことになるのでしょうか。

紙の場合は、机の引き出しや、書類棚などで、容量の制限がありますが、データ化されるとこの制約は弱くなります。とにかく何でもデータ化して保存を続けた結果、内部データがスラム化してしまったというお客様のお話を伺うこともしばしばあります。

スラム化してしまったデータを整理するのは大変です。実際にフォルダ整理を経験された方は痛いほどよくわかると思いますが、だれが保存されたかわからないデータ、どれが最新かわからないデータ、あちこちに分散しているデータなど、データを整理することも大変ですし、廃棄して良いかもわからない状態に陥ってしまいます。

これではせっかくペーパーレスを推進した意味も薄れてしまい、ペーパーレスの効果も出せない状況になってしまいます。

5.ペーパーレスのスローペースの推進

そこで、おすすめしたいのは、ペーパーレスのスローペースの推進です。

紙をデータ化する前に、デメリットで上げたような方が社内にどれくらいの割合でいるかを確認します。もし、多数の方が該当するようでしたら、影響の少ない部署や、影響の少ないプロセスから少しずつ時間をかけて開始します。

小さく始めたところで、細かい運用ルールを定めていきます。細かいようですが、フォルダ名やファイル名のつけ方、フォルダ構造の作り方、世代管理用年月日の記載の仕方なども決めておくと、あとあとの検索が楽になります。本当にファイル数が多くなればドキュメントシステムを導入する案もありますが、まずは手作業で紙管理より便利になる仕組みを作ることが重要です。

小さな単位で可能な限り、デメリットをなくし、メリットが増えれば、定着化も容易になってきます。小さな単位で成功事例ができれば占めたものです。ITリテラシーの低い人にITスキルを上げる教育を行い、同じように小さく実施して負担が少ない状態で成果が上がるところまで時間をかけて推進をしていきます。ここでも小さな成功事例ができれば、少しずつ広げていくことで、徐々にペーパーレス化が進んでいくでしょう。

個人事業主として一人で経営されている方はともかく、社員がいる会社では、ペーパーレスを意識されて、地道に少しずつ継続をしていくことで、長期的には大きな成果を上げることができるのではないでしょうか

最後までお読み頂きましてありがとうございます。今回のコラムが皆様の何かのヒントになれば幸いです。

コラム更新のお知らせをお届けします。ぜひご登録ください。