経営者にとってITプロジェクトマネジメントは、必須のスキルです。ITプロジェクトマネジメントというと、ITベンダーとともに必要なITを導入していくことと捉える人が多いでしょうが、経営者にとってのITプロジェクトマネジメントは、もっと前のプロセスからのマネジメントが重要になります。
ITプロジェクトマネジメントの必要性はいろいろとありますが、以下の項目に合わせて解説をしていきます。
目次
1.IT導入を成功に導くため
2.IT人材の活動を正しくマネジメントするため
3.IT人材の育成のため
4.IT投資の費用対効果を上げるため
5.まとめ
1.IT導入を成功に導くため
経営者にとって重要なIT導入は、重要な経営課題になります。そのため経営者のITプロジェクトマネジメントは、IT導入を成功に導くための必須のスキルといえるでしょう。
完成したITを導入するのであれば、自社の目的に一番マッチしたITを検討することになりますが、最初からITを作っていくようなものであれば、ITを製作していく工程が重要になります。
ITを製作していく工程を船旅に例えると、そもそも船旅に耐えられる船が必要です。
これがプロジェクトの組織になります。
途中からベンダーの組織も加わり、複数の船で航海をしていくことになります。
実際に船を動かす船頭や機関士などの役割も必要です。
これがプロジェクトマネージャーやプロジェクトリーダーになります。
一般の船員はプロジェクトのメンバーです。
でもこの船をどのような航路で進ませるかは、船長として経営者の重要な仕事です。
安全を重視して大きく迂回をすれば、コストも時間もかかります。
危険な航路を進めば失敗するリスクが高くなります。
実際に航行をしている途中で、嵐に遭遇することもあるでしょうから、事前に兆候を捕まえて適切に迂回する方向を示すのも、経営者の判断です。
ときにはベンダーの船だけ別の方向に行ってしまうかもしれません。
このようなことが起こらないようにするのも経営者のマネジメントが大きく影響します。
つまり経営者のITプロジェクトマネジメントは、マネジメントの管理やコントロールという意味よりも、マネージするという、どうにか成功に導く、または何とかするといった意味合いのほうが強い内容になります。
先ほどの船に例えるならば、自分の船の操舵を他人に任せないということです。
重要なITプロジェクトを部下やベンダーに丸投げしてしまうと、自分の船の操舵を人に任せていることと同じことになります。
2.IT人材の活動を正しくマネジメントするため
ITプロジェクトを実際に進めるのはIT人材を中心に進めていきますが、中心となるIT人材を適切にマネジメントしながら、ITプロジェクトを進めていきます。
丸投げにしないためにIT人材のマネジメントを行いますが、ITに詳しくなくてもしっかりしたマネジメントをすることは可能です。
IT人材は、ITに詳しい上司のほうがリスペクトされやすいので、良い上司と思われがちですが、実はしっかりマネジメントをする上司のほうが、部下の満足度は向上します。
ですから経営者がIT人材をしっかりマネジメントできれば、ITに詳しいかどうかにかかわらず、IT人材の満足度は向上します。
3.IT人材の育成のため
IT人材はITプロジェクトを通じて成長をしていきます。IT人材の育成においても、ITプロジェクトが重要です。
しかし、ITプロジェクトは定型業務と比較すると難易度が高くなります。
そのため経営者は、プロジェクトのチーム編成時にチームがスムースにすすむための支援や課題解決へのヒントやサポートなど、IT人材の育成支援をすることで、IT人材が成長するとともにITプロジェクトの成功につながります。
4.IT投資の費用対効果を上げるため
重要なITに投資をして成果を上げるためには、費用対効果の上がるポイントに対し、適切なITが構築され、そのITが実務でしっかり使われることで、費用対効果の最大化を図ることができます。
これらのいずれかに不備があった場合、どんどん効果は薄れていきます。
仮に費用対効果で100の効果が期待できるとします。
構築したITの性能が50%であれば、50の効果になってしまいます。
同じように実務でITを利用する人が50%であれば、同じように50の効果になってしまいます。
・最初の費用対効果の上がるポイントの抽出とその精度
・構築したITの完成度や整合性
・実務での活用度
これらが掛け算で効いてきますので、IT投資の費用対効果を高める3項目の活動が、経営者のITプロジェクトマネジメントになります。
5.まとめ
経営者のITプロジェクトマネジメントの必要性について、ITプロジェクトを成功に導くことと、IT人材の育成、IT投資の費用対効果の観点で解説をしました。
会社にとって重要なITは、企業の柱となる部分です、ぜひ丸投げをすることなく、適切なマネジメントをすることで、しっかりかじ取りを行いITプロジェクトの成功とIT人材の定着化を図っていってください。
最後までお読み頂きましてありがとうございます。今回のコラムが皆様の何かのヒントになれば幸いです。
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