IT成長企業は、
緊急時には平時と違うプロジェクトを実施、
IT停滞企業は、
緊急時にも平時と同じ通常対応を実施する。

本当に緊急な場合は、緊急事態と称して関係者を招集して、緊急プロジェクトとして対応することで、早期の調整が可能となります。
単純ではない仕事の場合、スケジュールを変更するだけでも、複数の関係者と調整をすることが発生しますが、個々に調整をし続けるととても面倒な作業になります。

目次
1.プロジェクトマネジメントのテクニック
2.スケジュールマネジメントのテクニック
3.リスクマネジメントのテクニック
4.プロジェクトマネジメントの活用

1.プロジェクトマネジメントのテクニック

担当する業務によって仕事の内容も様々ですが、仕事にはほとんど期限があるため、短期間で仕事を片付けなければならなくなることや、他の仕事より優先して急な仕事を片付けることが舞い込んできます。

単純な仕事であれば、とりあえず先に片付ければいのですが、単純ではない仕事でも急に割り込んでくることや、ある事情から急に期限が変更になる場合なども、皆様経験されているのではないでしょうか。

プロジェクトとして扱う場合でも、緊急事態として特別な扱いをする場合のどちらも、進めるうえでは、プロジェクトのテクニックを活用することで、より成功率が高まります。

そこで今回は2つのテクニックをご紹介します。今回ご紹介するテクニックはスケジュールマネジメントとリスクマネジメントです。

2.スケジュールマネジメントのテクニック

緊急になった業務には、コストや品質よりもスケジュールが優先される場合が、圧倒的に多いと思います。
そこで緊急時のスケジュールマネジメントのテクニックは以下のような使い方をします。

  • ガントチャートで可視化
    スケジュールを可視化するためにガントチャートを用います。
    ガントチャートは、表形式で横軸が期間になります。縦軸は作業する項目を記述したものです。
    よくあるスケジュール表の形で、それぞれの作業の関連がわかる形になっていますので、関連する作業の影響も可視化できます。
  • 影響の可視化
    スケジュールをリスケした時の影響、業務の集中、要員の過不足が可視化できますので、スケジュール変更全体を可視化して確認をすることができます。
  • ボトルネックの解消
    特定の業務が集中し、対応が困難な箇所が発生した場合には、負荷の低い両端の箇所に作業を分散することで、業務の平準化を検討します。
    一定の人数で仕事を進めたいときや、人の増員の調整がつかないときに、効果がある手法です。
  • ファーストトラッキングで前倒し
    業務の平準化も困難な場合は、先に仕掛かることができる業務を前倒しします。
    この手法をファーストトラッキングと呼びます。
    途中で問題が発生しなければ、時間短縮に効果のある方法です。
    ただし途中で問題が発生した場合には、手戻りが発生します。
    手直しが発生しても実施をすべきかの判断はリスクマネジメントで考慮します。
  • クラッシングで戦力増強
    業務の前倒しも困難な場合は、集中している業務に一時的に応援を行って解消します。
    この手法をクラッシングと呼びます。
    クラッシングは人の増強を行うため、コストが増加します。
    また、作業に慣れていない方が入るため、ミスの増加も考えらえます。
    しかし、どうしても時間短縮が必要な場合には効果のある手法です。

このような、テクニックを利用してスケジュール短縮の実現性を高めていきます。スケジュールの変更が完了しますと、次は実施段階に入ります。
実施段階では、進捗の確認方法が鍵となります。

・ガントチャートで予定と実績をグラフ化して、可視化しながら進捗を確認

 ガントチャートの予定と実績の推移と差異を確認することで、遅れが一目でわかるようになります。

3.リスクマネジメントのテクニック

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また緊急の仕事で抜けがちなのがリスクマネジメントです。
緊急なので、時間的にも余裕がないのは当然です。

しかし緊急な場合こそ、時間をかけたリスクマネジメントはできませんが、時間をかけずにリスクマネジメントをすることが実は効果的です。
具体的には、再調整したスケジュールからリスクを洗い出して、大きな影響がでそうな項目のみ、できる対策案を短時間に検討しておきます。

たとえば、先ほどの、仕掛かりを始めた業務で、前の作業が遅れた場合の影響と対応策を事前に決めておけば、万一問題が発生しても遅れを最小限にとどめることができます。

プロジェクトマネジメントでは、もともと計画通りに進むことはないとの前提で業務を進めます。
そのため、途中で問題が発生しても大きな影響とならないように、あらかじめ事前に検討するテクニックが、リスクマネジメントになります。

リスクマネジメントは順調に推移した場合は、他の人からは全く見えないスキルになります。
万一リスクが顕在化した状態では、検討されている対応策を実施する部分のみが見えますので、非常に早くしのいでいるように見えてしまいます。
このためリスクマネジメントは他の人からは非常に分かりにくいテクニックになります。
しかし、問題をいつも上手に片付ける人の多くは、内部でこのテクニックを活用しているのではないでしょうか。

4.プロジェクトマネジメントの活用

緊急時は平時と違う対応を行う必要があります。
このような場合は、初めて遭遇する問題や課題が多くなりますので、プロジェクトマネジメントの考え方や進め方を取り入れることで大きな効果が期待できます

プロジェクトマネジメントには、体系化された多くのスキルやテクニックがあります。
プロジェクトマネジメントのテクニックを通常の業務に活用すれば、もっと楽に問題を回避して進めることができるでしょう。

最後までお読み頂きましてありがとうございます。今回のコラムが皆様の何かのヒントになれば幸いです。

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