竜に翼経営」のコンセプトのなかに、ITマーケティング戦略の策定と再構築の項目がありますが、ものづくりを専門とする企業が、WEBを活用したマーケティングやサブスクリプションサービスやソフトウェアのような形のないサービスを新たに提供するときに陥りやすい留意点があります。

目次
1.ITマーケティング戦略の策定・再構築
2.商品は壁になることがある
3.目に見えるものと見えないもののアプローチの違い
4.まとめ

1.ITマーケティング戦略の策定・再構築

ITを活用したマーケティングも、通常のマーケティイングと同様のプロセスになります。自社の外である外部環境の分析を行い、自社内の内部環境の分析を行って、商品やサービスのポジションを検討していきます。
その後、具体的なターゲットの選定や、セグメントを明確にしたのちに、マーケティングの施策を検討します。

マーケティングの施策を検討するときに、ものづくりを専門とする方にとっては、形のないサービスを初めて取り組むときには見えないサービスというものが本当にわかりにくいようで、苦労をされる場合があります。

同じように、直販型の営業スタイルの方が、WEBマーケティングを担当すると、相手の顔が見えないとか、個々に説明をするような機会が得られないとか、従来の営業スタイルが全く使えないために、まるで見えない相手と向かい合っているようで、こちらも本当にわかりにくいという言葉をお聞きすることがあります。

ITマーケティングの難しさは、この見えるものから見えないものに対して、どのように対処すればよいのかというところがポイントになります。
今回は、分かりやすい例として、商品は販売の壁になることがあるという例をご紹介します。

2.商品は壁になることがある

商品がどうして壁になることがあるのでしょうか。

それでは皆様にお尋ねします。
みなさまは、購入を検討している人が、商品をどのようにして、購入しようという思いに至るのでしょうか。購入するまでのプロセスを考えてみてください。

たとえば、ある人がテレビを購入したいと考えていたとします。
テレビのサイズは、居間に置くのか寝室に置くのかなど、場所によって欲しいサイズが変わってきます。テレビの色も置く場所によって、合う色を検討するでしょう。
ディスプレイの方式によって画面の鮮明度が変わりますが、ここは予算と相談です。
いろいろと検討をすると、欲しいと思うテレビからテレビを購入した後の期待できる成果がイメージできるでしょう。
期待できる成果のイメージに対して費用が思っているより抑えられれば、購入しようという考えにつながってくる、というプロセスが一般的です。

では今までになかった全く新しいサービスを作った場合で考えてみます。
いろいろな良い機能をふんだんに盛り込んだ画期的なサービスですが、ハードウェアはありません。
このサービスに対し、分かりやすく詳細な機能を詳しく説明したサイトを作って、購入対象者に見てもらうような計画を立てたとします。
初めてこのサイトを訪問した人が、いままでになかったような新サービスや新機能が、詳しくわかりやすく書かれていたとして、前提知識のない人にどこまで伝わるでしょうか。

次に、次に文字では伝わりにくいと考えて、動画でサービスの説明をしたとします。この場合はどうでしょうか。おそらく文字より分かりやすくなっているとは思いますが、購入にいたるでしょうか。
きっとまだこのレベルですとまだ購入に至るまでには難しいでしょうね。
この状態が、商品が壁になってしまう状態です。

3.目に見えるものと見えないもののアプローチの違い

それでは先ほどのテレビの場合と比べてみます。
テレビの場合は具体的なものや機能が購入を検討している人にイメージできますので、テレビの詳細を説明することで、期待するイメージはどんどんはっきりとしていきます。

ところが目に見えないサービスやまったく新しい機能のような場合は、どんなにサービスの説明をしても、購入を検討している人に具体的なイメージができないと、期待する良いことをイメージすることができません。

つまり新しいサービスや目に見えない分かりにくいサービスは、商品やサービスの説明よりも、こんな良いことが得られますという、イメージを伝えることが先になります。
購入を検討している人が購入後の良いイメージを充分に理解できた状態で、この良いイメージを実現する方法としてこのサービスがあります、という順番で初めて購入につながってくるのです。

4.まとめ

今後、ネットとリアルの融合は、ECサイトのような場面だけではなく、デジタルツインのように、あらゆる産業でも進んでくるでしょう。
ネットとリアルの差や特徴を理解して、上手に両方を対応して行ってください。

最後までお読み頂きましてありがとうございます。今回のコラムが皆様の何かのヒントになれば幸いです。

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