会社の中で、組織と個人が自ら考えて行動する仕組みは、いくつ作っていますか?
このように尋ねると、自ら考えて行動することは自発的なもので、いままであまり意識したことがないという回答が返ってくることがありますが、IT人材の育成にはこの仕組みが欠かせません。
目次
1.考えて行動する要員比率
2.自発的に考えて行動する仕組み
3.業務改善活動
4.目標管理制度
5.ITシステム
6.まとめ
1.考えて行動する要員比率
確かに自らが考えて行動する行為そのものは自発的な行為になりますので、回答に対してはその通りです。
ところで社会の中では、いろいろなところで、パレートの法則と呼ばれる20%対80%の法則が働きます。
そのため組織として考えた場合に、放っておいても勝手に考える人は、20%くらいになるのではないでしょうか。
しかしできれば、会社や組織としては、もっと多くの人が自発的に考えて行動をするほうが、組織が活性化して成長するスピードが速くなります。
そのためには、残りの80%の中でより多くの人が、自発的に行動をしてもらうことができるといいですね。
通常の状態ですと、最初の20%の人が自ら考えて行動し、その行動を見た人が刺激をされて行動を始めて、その活動が徐々に広がっていくというスタイルです。
2.自発的に考えて行動する仕組み
一方、自発的に考えて行動する仕組みがあれば、その仕組みの中で少しずつ自発的に行動をすることを経験し、蓄積をしていきますので、経験の蓄積スピードが速くなります。
このようなことが継続していきますと、自ら課題や問題点を見つけ出して、その解決策を検討し、行動し、課題を解決していくサイクルがどんどん回り始めます。
いろいろなところに、自らが考えて行動をする仕組みを作ることで、個人の成長スピードが速くなり、それにつれて組織の成長スピードも速くなります。結果として会社の成長スピードが速くなっていきます。
3.業務改善活動
業務改善活動は、会社の企業文化として、自由で闊達な意見ができる場の提供としても重要な役割をもっています。
別の側面として、意見がまとまって対策を打つ段階になりますと、みんなで案を考えて行動をする段階になります。
対策案の検討に参加したメンバーは、実際に決まった案を自ら行動することになります。この繰り返しが、参加するメンバーの意識を向上させ、自らが考えて行動するようになってきます。
4.目標管理制度
組織のリーダーが期初に目標管理を策定している会社もありますが、この目標管理そのものも自ら行動計画を立てることになりますので、継続すれば自ら考えることの習慣化を図ることができます。
特に管理職になったばかりの時は、どうしても指示待ちで受け身の行動が多くなりますので、管理者の視点に、高さと方向を早く合わせるとともに、自ら考えて行動をする練習として、目標管理制度はうってつけの教材です。
もちろん成果を計画的に上げていくことが本来の目的ですが、自ら考えることの習慣化になりますので、まだ導入されていない会社は、ぜひ取り組まれてはいかがでしょうか。
管理職が充分育ってくれば、次は個人にも目標管理を実施することも有効です。
ただし最初は自ら案を考えること自体が大変なので、簡易なものからスタートして、徐々にレベルアップを図っていくと成功しやすいでしょう。
5.ITシステム
みなさまの会社には、すでに多くのITを導入されていると思いますが、利用されているITの機能は、一部の機能のみを利用していることがほとんどのため、至るところに改善の余地があるといっても良いでしょう。
たとえば、エクセルのシートをすべて手作業で入力しているとした場合、入力の一部を自動化するために、計算式を入れたり、数式で別シートに転記をしたりすることで、入力の簡素化が図れます。
もしマクロを組める方がいれば、手作業で行っている手順をマクロで学習すれば、その部分の定型的な業務を自動化できます。
このスキルが上達してくるとRPAのシナリオを容易に組む知見が徐々についてきます。
シナリオの考え方が身についてきますと、実際の業務フローへの理解が深まり、業務フロー全体を見渡して改善ができるようになるでしょう。
業務フローの改善がすすむようになると、最適な業務フローに合わせたシステム改修の要求もまとめられるようになります。
6.まとめ
このように、「自らが考えて行動する仕組み」を組織として計画的に仕組み化して、仕組みを徐々に下の組織に下ろしていきます。また、可能な限り情報を可視化して共有し、なにか行動ができたところを褒めることでモチベーションもあがってきます。
このサイクルが回りだすと、ITシステムの例でご紹介しましたように、自らが成長を始めていきます。
ぜひ好循環となる「自らが考えて行動する仕組み」を、計画的に作ってみてはいかがでしょうか。
最後までお読み頂きましてありがとうございます。今回のコラムが皆様の何かのヒントになれば幸いです。
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