IT成長企業は、
複数のIT技術の獲得にチャレンジし、
IT停滞企業は、
ひとつのIT技術の獲得に苦戦する。

IT担当の業務領域は、以下のとおりじつに広範囲に及ぶことが多いのが特徴です。

IT導入以前の工程では、IT導入の検討、IT導入の要件、ベンダーへの発注、導入後の検収などがあり、広範囲の作業が伴います。
導入後においては、ITの研修、操作に対する問合せ、実際のオペレーション、故障が発生したときの対応など、導入後も継続的な作業が広範囲に続きます。

目次
1.IT担当の領域
2.アプリケーションの範囲
3.携帯電話の担当はどこ?
4.生産設備の担当はどこ?
5.ネットワークやセキュリティは?
6.AIやIoTは?
7.ITの目的
8.経営を支援するIT
9.IT人材の多能工化

1.IT担当の領域

中小企業においてIT人材が配属されている場合、一般的にIT担当の方はどのような業務を担当されているのでしょうか。

IT担当だから、当然ITを担当するということになるのでしょうが、企業のなかでITと位置付けられる内容は、どんどん領域が広がっているのが実情です。

2.アプリケーションの範囲

では視点を変えて、ITのアプリケーションの対象範囲を確認していきます。
経理では定常的に利用する経理ソフト、営業部門では販売管理ソフト、顧客管理ソフト、最近では営業に対する支援ソフトとしてCRMソフトも利用されています。

これらのソフトはパッケージソフトとして提供されているものから、クラウドとして提供されているアプリケーションや、最初からすべて開発するソフトウェアが対象となります。

3.携帯電話の担当はどこ?

携帯電話は一般的には総務が担当となると思いますが、これもIT担当が対象になる企業もあります。
また携帯電話そのものはIT担当の対象外であっても、携帯電話で利用する業務アプリは対象となる場合があります。
電話は従来アナログ電話が主流でしたが、最近はインターネットを同時に利用するためIP電話の設備が多く利用されています。
このため、電話もIT担当となる場合も増えてきているようです。

4.生産設備の担当はどこ?

生産設備や加工設備をお持ちの企業では、それらの設備にコンピュータ機能や、ネットワーク機能が徐々に付加されてきていることを実感されていると存じます。
また設備から得られるデータを、ネットワークを介して連携をするなど、ITの要件が増えてきています。
そのため設備に対しても、単体の機器という考え方から、デジタル設備という考え方に移行しつつあります。
このようなことから、生産設備もITの位置づけという考え方が強くなってきています。

5.ネットワークやセキュリティは?

ネットワークは企業の運営に欠かせない状況になりつつありますが、社内のネットワークの構成や外部ネットワークへの接続、クラウドの運用などもIT担当の重要な業務です。

また、ネットワークではセキュリティもかかせません。
最近のセキィリティはファイヤーウォールやウイルス対策ソフトなどの、ハードウェアとソフトウェアの組合せだけでは、セキュリティが守り切れない状態になってきています。標的型メールのような対策には、社員全員のセキュリティに対する知識と脅威に対する認識を強化し、実務としてセキュリティを確保する必要がでてきています。
そのためIT担当は、ハードウェア、ソフトウェアのセキュリティ以外に、社員のセキュリティレベルに合わせた教育も担当することになります。

6.AIやIoTは?

加えてIT技術の進展は早く、新しい技術が次々と生み出されてきます。
最近ではIoTやAIなどの技術が、中小企業においても注目をされています。
少しITの領域を確認してみただけでも、いかにITの範囲が広がっているかを実感されたのではないでしょうか。

7.ITの目的

中小企業ではひとり情シスのようなところも多いと思いますし、ITの得意な人が本業とIT担当と兼務をされているところも多いと思います。
しかしこれからは、IT担当の役割を見直すという企業が増えてきています。
理由はいくつかあるのですが、ITに対する期待が変化してきているのが理由のひとつです。

8.経営を支援するIT

いままでのITは、コストダウンや効率の向上を目的として、導入が進んできましたが、ITが経営を本格的に支援する内容に徐々にシフトしています。
特に新技術であるIoTやAIは、協力ベンダーにすべてを依頼することが困難で、自社の課題や仮説を洗い出したうえで、解決策を協力ベンダーと進めていくアプローチになります。

このような進め方となるため、IT担当は今までより、経営に近い視点で課題や仮説を考えられる人材が求められてきます。
しかし実情を考えると、IT担当が業務をこなすだけでも大変なのに、さらに別の高度な考え方を身につけることはもっと大変そうです。

9.IT人材の多能工化

工場では、技術者の育成計画として、複数の技術を身につける多能工化という考え方があります。
そこでIT技術者においても、IT担当の多能工化という考え方で、人材を育成していけばどうでしょうか。

最初にIT技術そのものに習熟し、ITのスキルが安定してきたところで、徐々にプロジェクトマネジメントの位置づけで、徐々にマネジメントスキルを磨いていきます。
その後、ITの要件定義のような上流工程を経験し、少しずつ経営に近い視点や考え方の経験を積みIT技術者を育てるというものです。

このようなキャリアパスを通じて、IT担当の多能工化を徐々に進めることもできるのではないでしょうか。
またこの状況を進めていくと、IT担当者のポジションは経営に近い組織にシフトしていくことが望ましい姿になっていくのではないかと思われます。

最後までお読み頂きましてありがとうございます。今回のコラムが皆様の何かのヒントになれば幸いです

コラム更新のお知らせをお届けします。ぜひご登録ください。