仕事を進めていくためには、規模の大小に関わらず、実に多くの方々と関係を保ちながらITプロジェクトマネジメントを進めることが必要になります。
このような関係者のことをステークホルダーや利害関係者と呼びますが、中小企業の経営においても、ざっとみただけでも、顧客、社員、仕入先、銀行、ベンダー、顧問税理士など、多くの役割を持った方々とお付き合いがあります。
目次
1.ステークフォルダーとのコミュニケーション
2.PMBOKとは
3.ステークフォルダーマネジメント
4.通常業務に役立つプロジェクト手法
1.ステークフォルダーとのコミュニケーション
ステークホルダーとの円滑なコミュニケーションをとることは、大変重要ですが、すべての方と良好なコミュニケーションをとることは難しい場合もあります。そこでいろいろな役割の方と、効率の良いコミュニケーションをとる手段として、プロジェクトマネジメントのステークホルダーマネジメントを活用してみてはいかがでしょうか。
プロジェクトは、限られた期間の中で、一時的に、独自性を持った目的を達成するための集団活動になりますので、通常の人間関係より関係構築が難しくなります。そのため、いろいろな役割を持った人達とどのような関係を保てば、効率よくプロジェクトを進めることができるかということを体系化しています。
2.PMBOKとは
プロジェクトマネジメントの手法も国内外でいろいろな種類がありますが、デファクトスタンダードとして有名な手法としてPMBOKという手法があります。PMBOKはProject Management Body Of Knowledge の略で、プロジェクトマネジメントの知識体系という意味で、通常はピンボックと呼んでいます。PMBOKをみて、「ああピンボックね」と読むと、プロジェクトに詳しい人と見られるかもしれません。
PMBOKは、世界中で実際にプロジェクトを実践して得られた良い事例(グッドプラクティス)を反映し、4年ごとにバージョンが更新されています。最新版の第6版ではアジャイル開発を多く取り入れた内容となっており、進化をしつづけているテキストです。
3.ステークフォルダーマネジメント
そこで今回は、PMBOKの中のステークホルダーマネジメントの一部をご紹介します。
まず、最初にステークホルダーを分類するとこところから入ります。
権力の強弱の視点と、関心度の高低の視点で、以下の4つの分類に分けます。
- 権力が強く、関心度も高い人
- 権力は強いが、関心度が低い人
- 権力は低いが、関心度の高い人
- 権力は低く、関心度も低い人
現在の関係する人を、4つの分類に当てはめていきますと、どのような構成になっているかを可視化することができます。プロジェクトの場合は、重要な人に対してコミュニケーションをおろそかにしたために、リスクを増大させるようなことは避けなければなりませんので、関係者を分類して適切なコミュニケーションスタイルを構築します。
この分類をしておくことで、コミュニケーションミスを軽減することができます。通常の業務においても、分類して可視化をすることで、コミュニケーションレベルを再確認することができます。
次は、各区分のコミュニケーション対応方法になります。
- 権力が強く、関心度も高い人
注意深くマネジメントする。 - 権力は強いが、関心度が低い人
満足な状態を保つ。 - 権力は低いが、関心度の高い人
常に情報を伝える。 - 権力は低く、関心度も低い人
監視する。(最小限の作業工数)
「権力が強く、関心度も高い人」は、「注意深くマネジメントする」、という内容はわかりやすい対応方法だと思いますが、「権力が強く、関心度の低い人」は「満足な状態を保つ」という対応方法と、「権力が低いが、関心度の高い人」は「常に情報を伝える」という対応方法は、なるほどと思える興味深い内容だと思います。
4.通常業務に役立つプロジェクト手法
もちろん人の個性や人格もさまざまですので、一律にこの分類で対応するというものではありませんが、このような注意を払って関係を継続することは円滑なコミュニケーションのために有用でしょう。
さらに面白いステークホルダーマネジメント手法もありますので、ご興味のある方はPMBOKの詳細をご覧ください。
プロジェクトマネジメントは、ほかにも通常業務に役立つ手法がいろいろとありますが、これから少しずつご紹介をしていく予定ですので、楽しみにしてください。
最後までお読み頂きましてありがとうございます。今回のコラムが皆様の何かのヒントになれば幸いです。
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