ITベンダーのマネジメントとして、参考となる情報はあまり出ていませんが、企業がベンダーのマネジメントをアウトソースするために、VMO(ベンダーマネジメント組織)という組織を作ることがあります。
このVMOの役割のなかには、中小企業がITベンダーをマネジメントするために役に立つ項目がありますので、この点についてご紹介をします。
目次
1.ITベンダーマネジメントの進め方
2.ITベンダーとの契約管理
3.プロジェクトのパフォーマンス管理
4.ITベンダーとの関係管理
5.ITベンダーのリスク管理
6.まとめ
1.ITベンダーマネジメントの進め方
ベンダーマネジメント組織が持つ役割のなかで、ベンダーとの契約に対する管理、ベンダーとのプロジェクトが進んでいるときのパフォーマンスに関する管理、ベンダーとの関係を良好に保つための関係管理などがありますが、この3点について説明をしていきます。
またITベンダーとお付き合いを開始する際のリスク管理も参考になりますので、この点にも触れていきます。
・ITベンダーとの契約管理
・プロジェクトのパフォーマンス管理
・ITベンダーとの関係管理
・ITベンダーのリスク管理
2.ITベンダーとの契約管理
ITベンダーとの契約が始まる前には、ITベンダーにRFP(提案依頼書)を提示したり、見積りを取得した際に見積りの内容を精査したりすることになります。
契約関係や契約条件は特に重要ですので、これらの点はIT担当に任せることなく経営者もしっかり確認をして、進めることが望ましいでしょう。
また最終的にITベンダーと契約になりますが、契約形態は最も留意して適切な契約をすることが必要です。
ITプロジェクトの開発内容と契約形態が合わない場合には、自社のリスクが増加してしまいますので、この点は特に留意が必要です。
同じように、契約のなかに制約条件やグレーゾーンが記載されている場合にも注意が必要です。
3.プロジェクトのパフォーマンス管理
開発が計画通りに進んでいるかどうかを確認する進捗管理や、開発の品質が保たれているかを確認するモニタリングが、ベンダーのパフォーマンスをマネジメントする観点で重要です。
特にプロジェクトが順調に進んでいない場合でも、報告が正確に行われなかったり、リカバリーがどうしてもできなくなってから事態が発覚したりすることも起こりますので、進捗状況の正確な把握が重要になります。
4.ITベンダーとの関係管理
契約やパフォーマンスに対して、しっかり管理をすることも必要ですが、その前にITベンダーとは日頃から良好な関係を築いておくことが、双方にとってなによりも重要です。
このITベンダーとの関係は、双方の担当者レベル、管理者レベル、経営者レベルで階層ごとに信頼関係を築いておけば、契約面やパフォーマンスの管理でも、スムースに進めることができるでしょう。
5.ITベンダーのリスク管理
ITベンダーに限らず取引をする際のリスクというものはありますが、ベンダー特有のリスクについては認識をしておいた方が良い点に触れておきます。
・プロジェクトが停止または完成の見通しが立たなくなるオペレーショナルリスク
ITベンダー内の開発技術者の退職や専門スキル不足などから、途中でプロジェクトが進まなくなってしまうリスクがあります。
・法規制の抵触によるコンプライアンスリスク
開発したソフトウェアが他社の著作権侵害にあたる場合や、データ保護の不備などが発生した場合のソフトウェアの改修やペナルティなどのリスクがあります。
他にも、ベンダーの財政状況によるファイナンスリスクや、海外のソフトウェア技術者で開発を行うオフショア開発によるカントリーリスクなどもありますが、オペレーショナルリスクとコンプライアンスリスクの2点は、普通のシステム開発においても起こる可能性がありますので、特に留意が必要です。
6.まとめ
ITベンダーとはIT導入の時から、プロジェクトが開始して、お付き合いが始まりますが、日頃の信頼関係の構築や契約までの契約関係やパフォーマンス管理など、プロジェクトの側面をしっかり支えることでプロジェクトがスムースに進んでいきます。
ぜひITベンダーとの良好なマネジメントを通じて、プロジェクトを進めるようにして下さい。
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