IT成長企業は、
時間軸を組み込んだIT戦略を立案し
IT停滞企業は、
時間軸を考慮しないIT戦略を立案する。

自社の置かれた状況を客観的に観察するために、SWOT分析をされたことはありますか。
この時期外部の環境が大きく変わりつつありますので、短期的な環境の変化と、これから長期的に変化しそうな環境の変化を確認して、自社の戦略や方向性を見直してはいかがでしょうか。

目次
1.SWOT分析とは
2.SWOT分析の方法
3.現在と将来の変化の確認
4.機会と脅威の分析
5.クロスSWOT分析

1.SWOT分析とは

SWOT分析は社内の強みと弱み、外部の機会と脅威を現したマーケティング手法です。
SWOT分析の概要は柔らかいIT経営用語で取り上げましたので、詳しくは以下をご覧ください。

2.SWOT分析の方法

SWOT分析の方法は前回のブログで取り上げましたので、こちらのブログをご確認下さい。

SWOT分析の進め方

3.現在と将来の変化の確認

SWOT分析をいままでされたことがない場合は、現状分析としてコロナが発生する以前の状態を想像して、一度現状分析をされることをお勧めします。
今回のコロナの影響で、外部環境の変化が大きく表れていますので、コロナ前の状況と、この1年くらいに起きている大きな変化と、1年後以降に継続して変化が起きそうな項目を機会と脅威という観点で捉えてみると、今後数年間に起きる影響を可視化することができます。

swot分析

具体的には、上の表の中に、1年以内、2年以降の枠を設けて、記載していきます。
このように期間を分けてみることで、将来への影響が可視化できます。

4.機会と脅威の分析

今回大きな影響が顕在化している部分は、外部環境が大きいので、機会と脅威を重点的にみていくのが良いでしょう。

なかでも一時的なインパクトが大きいものと、すぐには大きな変化はなくとも、この危機感がきっかけとなって今後大きな変化となってくるものも多くありそうです。
その中で自社の市場や環境に変化が現れそうなところを、洗って可視化しておくことは、どの企業においても重要なことになるのではないでしょうか。

また、テレワークのような環境の変化に対し、自社の弱みが顕在化した部分があるかもしれませんし、新たに自社の強みを発見した点があれば、強み、弱みにそれぞれ追記していって下さい。

5.クロスSWOT分析

クロスSWOT分析は、分析したSWOT分析をもとに、戦略を立案するプロセスになります。
使用するシートは以下の枠組みになります。SWOT分析のシートとよく似ていますが、縦軸に強みと弱み、横軸に機会と脅威がクロスになっています。

クロスSWOT分析

シートの使い方ですが、強みと機会の枠には、SWOT分析で記載された、強みの項目と機会の項目を組み合わせて、新たな戦略を検討します。

たとえば

  • 当社の強みである「技術力」と、機会である「新たなニーズ」を組み合わせて、「新たなニーズに応える新製品を開発する。」
  • 当社の弱みである、「作業量が多い」という点と、脅威である「既存市場が縮小している」点を合わせて、「既存市場が縮小しても採算が合うように、作業の削減を徹底する。」

このような形で、SWOTの項目からいろいろなアイデアを検討していきます。

今回は、特に1年以降の変化に着目して、クロスSWOT分析を行いますと、これから起こる変化を着実に捉えた戦略をたてることができます。

ぜひこれから起こる機会に前向きにチャレンジするとともに、新たな脅威に対し致命的な部分への対応を行うことで、今後の着実な成長につなげることができることでしょう。

最後までお読み頂きましてありがとうございます。今回のコラムが皆様の何かのヒントになれば幸いです。

コラム更新のお知らせをお届けします。ぜひご登録ください。

ITマネジメント実践広場