IT成長企業は、
IT戦略の立案にフレームワークを活用し、
IT停滞企業は、
IT戦略の立案に過去の戦略資料を模倣する。

自社の置かれた状況を客観的に観察するために、SWOT分析をされたことはありますか。
SWOT分析は経験者がファシリテータとなって実施すると、活発な意見がでてしやすいのですが、少人数でも行うことができますので、ぜひお試しください。

目次
1.SWOT分析とは
2.SWOT分析の方法
3.情報収集の留意点
4.収集した情報の分類
5.分類した情報の整理
6.まとめ

1.SWOT分析とは

SWOT分析は社内の強みと弱み、外部の機会と脅威を現したマーケティング手法です。
SWOT分析の概要は柔らかいIT経営用語で取り上げましたので、詳しくは以下をご覧ください。

2.SWOT分析の方法

SWOT分析は、社内の従業員からアンケートの形式で、意見を収集して情報を集めます。
自由意見で、何でもよいので良い点や悪い点などを収集します。
意見が集まりにくい場合は、「以下の例をもとに考えて下さい」と依頼すると、内容が具体的になりますので、より集まりやすくなります。
たとえば、

  • 当社の良いところはどんなことがありますか。
  • 当社が苦手なところはどんなことがありますか
  • 仕事を進めるうえで、良いところ、弱いところとして、どんなことがありますか。
  • お客様の声に変化はありますか。
  • これからチャンスと思えるところはどんなところがありますか。
  • 将来不安に感じているところはありますか。

3.情報収集の留意点

このような意見を収集するときに気をつける点があります。
これは企業文化に大きく影響しますが、日ごろから自由な意見をいえる環境ができていない場合は、

  • 上がってきた意見に対し個人を特定しないようにすること
  • 個人の評価に紐づけしないこと
  • 環境分析以外に使用しないこと

などを、事前に周知し情報収集の目的と理解を得ることで、忌憚のない意見を収集できます。

4.収集した情報の分類

集めた情報を1件ずつ、SWOTのどの項目になるかを分類していきます。
分類の方法は後の作業を考えると、ポストイットに1件ずつ記載して、ホワイトボードに
張っていく方法が簡単です。
この作業は一人でもできますが、複数の人とディスカッションしながら進めるほうが、多角的な意見を集めることができます。
これは意見の取り方によって分類が変わることがあるためです。
たとえば

  • 全国に拠点がある。

という意見に対し、

内部環境

・前向きな意見ととらえる人は、地場密着型という観点で強みに分類します。

・反対に固定費や分割損が多いと捉える人は弱みに分類します。

同じように

  • これからIoTが拡大する。

という意見では

外部環境

・市場が拡大するチャンスが増える、と考える人は機会に分類します。

・新規参入事業者が増えて競争が激化する、と考える人は脅威に分類します。

どちらの考え方もありますので、この場合は両方に記載していきます。
しかし人が少ないといろいろな意見が出にくくなりますので、意識的に多角的な意見を加えて検討していきます

5.分類した情報の整理

イメージ画像

SWOTのそれぞれの項目に分類ができましたら、次はランダムに記載された意見を集約していきます。
わかりやすい方法としてはKJ法のように、ポストイットに書かれた意見を並べてみて、似たような意見をグルーピングしていきます。ある程度グルーピングができたら、グルーピングされた意見をまとめて、一言で表現します。

まとめた意見をSWOT分析の表にまとめると、SWOT分析のシートが完成します。
一覧としてまとまったシートを確認すると、自社の環境と、自社を取り巻く外部の環境を俯瞰することができます。

対策の立案はクロスSWOT分析で実施しますが、クロスSWOT分析は別で解説を致します。

6. まとめ

SWOT分析を行なうために、意見を収集するだけでも貴重な意見を得られます。中には目先の意見や現場の細かな課題なども含まれてきますが、現場の生の声を聴く良い機会になります。
SWOT分析の表を詳しく見ていくことで、多くの気づきを得られます。
たとえば

  • 自社の強みの確認と他社との差別化要素
  • 自社が抱えるリスク
  • 新たな市場の可能性
  • 脅威への備えの必要性

などがあります。

まだSWOT分析をしたことがない場合には、自社の内部・外部環境の可視化として一度試してみてはいかがでしょうか。

最後までお読み頂きましてありがとうございます。今回のコラムが皆様の何かのヒントになれば幸いです

コラム更新のお知らせをお届けします。ぜひご登録ください。

ITマネジメント実践広場