IT成長企業は、IoTを製品ライフサイクルで検討し、IT停滞企業は、IoTを製品開始サイクルで検討する。

最近、いままでの製品を販売している売り切りの形態から、月額で提供するサービス型を検討したいということをよく伺うようになりました。
IoTの経験やITスキルが充分でない場合が多いのですが、なんとなく今までの物売りから、今後は付加価値をつけて機能を向上して、月額型のサービスを検討するというような内容です。

目次
1.IoTソフトウェアの組み込み
2.IoTソフトウェアの改修リスク
3.サービス展開後のリスク回避

1.IoTソフトウェアの組み込み

特に新商品開発の検討でブレーンストーミングをしている時とか、少しお酒が入った席では、どうしてもこのような話になりやすいのですが、いざ本格的に検討をしようと思うと、留意する点が数多くあります。

今回は、製品に組み込んだ場合のソフトウェアの留意事項について、少し確認をしてみます。

例えば、自社製品の中に付加価値をつけるために、なにか計測する仕組みを設けるものとします。計測する手段はいろいろなセンサーがありますので、適切なセンサーを選定することになりますが、次にセンサーで測定したデータをどこかに蓄える仕組みが必要になります。

また情報を収集して付加価値を提供するようなサービス化をするためには、蓄積されたデータを定期的に吸い上げる仕組みも必要となります。もともと自社の製品に自己診断などの機能が搭載されていて、それらのデータを吸い上げる仕組みがあれば、比較的容易に機能を追加して仕組みを作ることはできます。

しかし、サービス化の検討をされるときは、もともとそのような環境が無い状態から検討が始まる場合がほとんどです。そうなると、自社の製品の中にセンサーからデータを蓄積する仕組みと、吸い上げたデータを自社のサーバーに転送する仕組みを作ることになります。

このような動作をコントロールするためには、自社製品の中に必要なソフトウェアを組み込むことになります。ソフトウェアが組み込まれるような製品を販売しますと、従来のハードウェア単体の製品とは異なる、ソフトウェア独特の注意点に留意することが生じます。

2.IoTソフトウェアの改修リスク

専門的な点にはなるべく触れずに、イメージとしてとらえて頂きたいのですが、ソフトウェアの開発は、お客様のご要望に応じたプログラムを開発していきます。ソフトウェアの場合には、十分なテストを行ったとしても、内部にプログラムミスなどのバグが内在するリスクを完全に排除することは困難です。

これはすでに市場に提供されているソフトウェアに、更新プログラムが提供されましたとして更新される場合や、セキュリティの脆弱性が見つかりましたとして対策プログラムが提供されていることからも明らかです。

たとえば、通常の操作では全く問題が発生していなくても、誤って処理手順をすることや、稀な処理方法が重なった場合などのイレギュラーな処理の場合には、テストが充分実施できていない可能性がありバグが発生してしまうことがあります。

万一そのようなバグが見つかった場合はソフトウェアを修正することになります。このようなことになった場合、自社内であれば容易に修正が可能ですが、自社製品が販売後で、さらに外部で多数利用されている場合は、製品が利用されている状態で製品の内部のソフトウェアに修正をかけることになります。

あらかじめネットワークを経由して、更新する要件を組み込んでソフトウェアを開発していれば、ネットワークを通じてソフトウェアの更新が可能となりますが、一部のIoTの仕組みではコストを抑制するために、ソフトウェアの更新ができないようなネットワークもあります。

これらの点はソフトウェアの開発時点で、運用方法や保守方法も含めてあらかじめ検討が必要となります。実際には、ネットワークを組み込んでいても、利用されているお客様の環境はさまざまですので、何らかの状態でアプリケーションがうまく更新されなくなることや、途中で止まってしまうことも検討に加えなくてはなりません。

例えば個人のPCで利用しているソフトウェアでしたら、利用している個人が何とか復旧するようにアクションを取りますが、機器に組み込まれた状態の場合は、だれもそのようなアクションを取ることがありません。そのため最悪現地に出向いて復旧する、またはセンドバックで製品を送り返していただき復旧するなどの運用や体制も定める必要があります。

3.サービス展開後のリスク回避

このように情報を収集して付加価値を提供するサービス化をするためには、ハードウェア提供に加えてソフトウェアの提供という無形の機能提供することとなり、製品の販売とは大きく異なります。今回はソフトウェアの管理面について記載しましたが、提供するためにはソフトウェアのセキュリティ面や代金の回収など他にも多くの検討項目があります。

新商品の検討ではとりあえず小さく実施してみるというテストマーケティングのような手法をとることがありますが、新サービスの検討では、サービス展開後のリスク回避が重要になります。またいったんサービスとして開始しますと簡単に停止をすることも困難になりますので、全体を本当に良く検討してから進められることを推奨します。

最後までお読み頂きましてありがとうございます。今回のコラムが皆様の何かのヒントになれば幸いです。

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