ものづくり補助金を申請して、新たな取り組みにチャレンジしたいと考えている経営者も多いと思いますが、一方で申請書を作成することが大変ということもよくお聞きします。
このコラムでは、申請書をご自身で作成することをお勧めしていますが、じつはDIYの目的はご自身で書けるようになることが本質ではございません。

申請書を書けるようになることで経営者にとっては、もっと大事なことが得られると考えています。

目次
1.ものづくり補助金とは
2.申請のなかで記載する項目
3.DIYにより期待できる価値

1.ものづくり補助金とは

補助金はいろいろな種類がありますが、IT関係で継続的に実施されているなじみの深い補助金はIT導入補助金とものづくり補助金になるでしょうか。

今回はものづくり補助金のDIYをお勧めしていますが、ものづくり補助金の概要は以下の内容となっています。
事業の目的は中小企業や小規模事業者などが、新たに革新的サービスの開発や生産プロセスの改善などを行って生産性を向上させるための設備投資などに支援を行うというものです。
この対象者は中小企業者のなかで要件を満たす企業と特定非営利活動法人が対象になります。
他にも対象事業の要件に合致することなどの条件がありますので、詳しくは以下のサイトをご参照ください。

ものづくり補助金総合サイト

ものづくり補助金総合サイト(https://portal.monodukuri-hojo.jp/)

ものづくり補助金に採択をされると、一般型であれば100万円~1000万円の範囲で2分の1の補助が受けられるため、新しい事業にチャレンジすることや、生産性を向上するための取組みとして大変ありがたい制度です。

2.申請のなかで記載する項目

申請をする際に以下の、
その1:補助事業の具体的取組内容、
その2:将来の展望(事業化に向けて想定している市場及び期待される効果)、
その3:会社全体の事業計画
を実際に作成することになります。

実際に作成をしていくことは確かに大変なところもありますが、ご自身で市場の調査、情報の整理、実現案の検討などをしていくことで、自社の経営の客観的評価、自社の技術的な強みの発見、具体的な事業計画などの地力が自然と強化されていくことになるでしょう。
以下は9次締切分の公募要領の抜粋になります。

・その1:補助事業の具体的取組内容
① 本事業の目的・手段について、今までの自社での取組みの経緯・内容をはじめ、今回の補助事業で機械装置等を取得しなければならない必要性を示してください。また、課題を解決するため、不可欠な工程ごとの開発内容、材料や機械装置等を明確にしながら、具体的な目標及びその具体的な達成手段を記載してください(必要に応じて図表や写真等を用い具体的かつ詳細に記載してください)。
事業期間内に投資する機械装置等の型番、取得時期や技術の導入時期についての詳細なスケジュールの記載が必要となります。
② 応募申請する事業分野(「試作品開発・生産プロセス改善」又は「サービス開発・新提供方式導入」)に応じて、事業計画と「中小企業の特定ものづくり基盤技術の高度化に関する指針」又は「中小サービス事業者の生産性向上のためのガイドライン」との関連性を説明してください。
③ 本事業を行うことによって、どのように他者と差別化し競争力強化が実現するかについて、その方法や仕組み、実施体制など、具体的に説明してください。

・その2:将来の展望(事業化に向けて想定している市場及び期待される効果)
① 本事業の成果が寄与すると想定している具体的なユーザー、マーケット及び市場規模等について、その成果の価格的・性能的な優位性・収益性や現在の市場規模も踏まえて記載してください。
② 本事業の成果の事業化見込みについて、目標となる時期・売上規模・量産化時の製品等の価格等について簡潔に記載してください。
③ 必要に応じて図表や写真等を用い、具体的かつ詳細に記載してください。

・その3:会社全体の事業計画
① 会社全体の事業計画(表)における「付加価値額」や「給与支給総額」等の算出については、算出根拠を記載してください。
② 本事業計画(表)で示された数値は、補助事業終了後も、毎年度の事業化状況等報告等において伸び率の達成状況の確認を行います。

公募要領(9次締切分)
https://portal.monodukuri-hojo.jp/common/bunsho/ippan/9th/reiwakoubo_20211111.pdf

3.DIYにより期待できる価値

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補助金は採択されることが重要になることから、採択を目的になってしまいやすいのですが、もともとの補助金を利用する目的はなんだったのでしょうか。
革新的なサービスや生産プロセスを改善して生産性を向上するような目的で行っていますので、最終目的はこれらの仕組みを構築して運用し、大きな成果を得ることが目的になります。

つまり当初の目的を達成して成果をあげることが最重要事項なのですが、いつのまにか採択されることが目標になっていることはないでしょうか。
ものづくり補助金のDYIにより、採択以降の実績の成果や企画の成功する確率がより向上することが期待できますので、ぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

経営者と経営幹部向けに、ものづくり補助金DIYのメール講座(無料)の開設の準備を始めていますので、チャレンジしてみたいという方はぜひ講座の受講をご検討ください。

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