IT成長企業は、
右腕となる人材と組織でITを活性化し、
IT停滞企業は、
右腕となる人材と組織がITで混乱する。

ITが苦手な経営者のなかには、ITの効果的な活用は中小企業が成長していく際の、「成長の壁」を突破する貴重な武器になると気づいていない方もいるのではないでしょうか。

中小企業のIT経営は、いろいろなところで、詳しい資料も掲載されていますし、支援体制も充実しています。

そこで今一度ITが経営に与える影響について確認をしていきます。

目次
1.IT経営とは
2.ITの進化による対応の変化
3.経営者のタイプ
4.中小企業のIT経営の推進役
5.中小企業のIT人材
6.IT経営の自走のために

1.IT経営とは

ITコーディネータ協会では、「IT経営とは、経営環境の変化を洞察し、戦略に基づいたITの利活用による経営変革により、企業の健全で持続的な成長を導く経営手法である」と定義しています。

ITは普通に導入しても、利便性が高くなる点や、業務が効率よくできるようになるなど直接的な効果も大きいため、それで満足な場合も充分ありますので、この経営をIT経営と表現されても当然と思います。

しかし企業が成長してくると、なぜかトラブルが多発する、社長が極端に多忙になる、コミュニケーションが悪くなり生産性が低下するなど、いつも成長の壁のようなものに阻まれる事象が発生するというご経験はお持ちではないでしょうか。

そのような時にこそ、ITを活用して経営の壁を突破できるような姿が、中小企業におけるIT経営の理想の姿ではないかと考えています。今回はこのような視点でIT経営について確認をしていきます。

2.ITの進化による対応の変化

ITの役割は時代とともに変化をしています。ITの活用により業務の効率化や作業時間の短縮化で効果を上げていくのですが、その具体的な方法も日々進化をしています。
例えば、業務の効率化を例にあげてみます。

システム対応

今まで手作業でしていた部分をシステムによりカバーする

ミスの軽減

書類の転記作業が減り、転記ミスが減り効率化が図れる

ロボット対応

手作業で行っていた業務をロボットが代行する。

ロボットの機能としては、協働ロボットのように、ロボットが人の作業を機械的に行うものがあります。
事務作業の部分を代行するRPA(ロボティクス・プロセス・オートメーション)もロボットの機能と捉えることもできます。

このようにいままでの単純作業の置き換えから、いままでできなかったようなこともロボットや新しいITの技術を活用して、複雑な対応まで代行することができるようになってきています。

さらにAIの音声認識を活用すれば、入力を音声にすることができ、入力作業から両手を開放することができます。これは現場で両手を必要とする作業にとっては、新しい代行方法になります。

ITが不得手な中小企業では、設備の比較や効果検討の観点から、ITの推進が進みにくいところもありますが、自社に有効な新しいITがあれば、内容をよく見極めて導入を検討されるのが良いでしょう。

3.経営者のタイプ

ITに詳しい経営者

ITに詳しい経営者は、もともと新しいITに興味がありますので、新しいITの情報や活用方法も自然に情報収集ができています。

自社の状況の中で、必要なものを必要な時に導入しやすいことが優位になります。

社員への説明も自らの言葉で的確に伝えることができますので、推進もしやすい環境が整います。

ITが苦手な経営者

ITが不得手な経営者の場合には、新しいITがでても今一つよくわからないため、どうしても情報収集が不足になりやすくなります。

また積極的に情報を収集するとしても、専門用語が多いため製品の価値が分かりにくく、理解不足になることもあります。

これらの点が、ますます自社のIT導入の時期や製品検討を困難にする、要因のひとつになっているということはないでしょうか。

4.中小企業のIT経営の推進役

IT経営が不得手な経営者にも、ITが必須となりつつある今では、経営者にITをサポートする役割を持った人材が重要になってきます。

経営者のITサポート

CIOのような立場で、経営者の考えや方向性を、IT技術面でサポートをする人材

社内でITの推進をする担当者

実際にITの導入、運用、社内のサポートをする人材

このような役割を持った人材が、経営者をサポートすることで、IT導入の時期、ITの比較検討など、経営者が苦手な部分を的確に補完できるようになります。

5.中小企業のIT人材

とはいうものの、もともと人材が不足している状況でなので、IT人材をおけない、または技術者の採用はもっと難しいという声も良くお聞きします。
たしかに専門の技術は、専門知識を駆使する技術者であるため、文系の人を専門の技術者に育てるには難しい面があります。

ところが情報系と呼ばれる分野では、もともと文系の方がIT系の技術者に転向した例は私の知り合いにも多くいます。
その点ではITの技術者の育成は、他の専門技術よりハードルは低いかもしれません。

おそらく社内の若い社員の中に。スマホが好きとか、SNSが好きという方がいると思います。
その方のなかに、スマホのアプリや細かい設定に詳しい人がいれば、ITへの適性が高い方になるでしょう。

6.IT経営の自走のために

経営者に経営的な視点でITをサポートする人材は、社内でCIOの立場の責任者がいれば、IT経営を自走していくために重要な役割を発揮されるでしょう。

もし、CIOの立場の人がいない場合は、技術の責任者にITの適性があれば兼務で支えてもらうことでカバーできるでしょう。

非管理職の技術者がIT担当者の場合には、経営面の視点を育成することが必要になります。そのためには最初は企画の業務を担当することで、社内全体の視点や経営的な視点が徐々に理解できるようになってきます。

社内のITに関する人材がいない場合は、CIOの役割で経営者をパートナーとしてサポートするコンサルティング人材の支援を得ることもひとつの方法です。
仮に月に1回ほどの関係でも、経営者が不得手なITに対する妥当性の確認や、IT人材とのつなぎ役として、着実にITを浸透するための経営者支援ができますので、推進する時間の短縮化では大きな効果が期待できます。

最終的には、自社で自走して頂くことが理想ですが、IT導入から活用までには、社内のITの理解浸透やITリテラシーの向上、ITを推進するためのプロセスの整理など、ITを取り巻く周辺の活動も大変重要です。

そのため、パートナーに前述の活動の支援を得つつ、経営者のITの本質の理解を深める支援、IT担当者の経営的な視点の育成なども同時に進めることで、徐々に自走できる体制になってくるでしょう。

もし単独でいきなり自走することが難しい、あるいは自走までの時間短縮を望まれるのでしたら、自走できるところまで、伴走するパートナーを活用されてみてはいかがでしょうか。

最後までお読み頂きましてありがとうございます。今回のコラムが皆様の何かのヒントになれば幸いです。

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