IT成長企業は、
明確なビジョンとともにITを活用し、
IT停滞企業は、
形骸化したビジョンでIT活用を真似る。

最近では外国人の技術者を一定期間採用されていることも多いが、社内の重要な役割は中堅の社員が担当されてはいるものの、将来を支えるIT人材の採用と育成では、正社員の採用と定着化が大きな課題となっています。

目次
1.人の採用と定着率
2.おしゃれな製造会社
3.おしゃれなソフトウェア開発
4.昔ながらの製造会社
5.会社のビジョンと人の採用

1.人の採用と定着率

中小企業の人の採用ではどこも大きな悩みとお聞きしますが、さらに人の定着率においても同様の悩みが大きいとよく伺います。

今回は、いろいろな企業の方とお話をさせて頂いているなかで、人の採用と定着率について気づきがありましたので、3つの企業イメージとしてご紹介させて頂きます。

2.おしゃれな製造会社

それでは最初の企業イメージをご紹介させて頂きます。
読みやすいように少し記事風にしてみます。

先日、先進的な技術を生かした製造をされている中小企業に訪問する機会がありました。大変おしゃれなビルで、何かを製造をされているような感じが全くしないイメージでした。ビルの正面は全面ガラス張りで、曲線を生かしたエントランスから入ると、2階に向かってエレベータとおしゃれな階段が設けてありました。

2階に上がると、事務所内もガラス張りのオープンな感じで、社員の皆さんも明るく生き生きとした感じで働いている様子が、一目で伝わってきました。経営者の方に伺いますと、工場内も基本的にはオープンな作りになっていて、機密の部分とオープンな環境を整理して、極力オープンな職場を目指されているとのことでした。

最新の技術を生かされているので、機密の部分も多いことと思いますが、来訪者には全くそのような感じを与えないのは、素晴らしい仕組みで情報が守られているからだと思います。製造業ですので、発注をされるお客様の中には機密の保持を強く要求される企業もあるのは当然です。

しかしオープンな職場で普通に仕事をしていても、お客様が要求されるセキュリティレベルが担保されており、厳しい要求をされるお客様も満足をされているとのことですので、実はこの点もこの企業の大変な強みになっていると感じました。

中小企業では、最近どこでも人の採用に苦労されていることを本当によく伺いますので、その点も少し伺いました。この会社では、新人の採用ではいまではほとんど困っていないとのことです。この建物を建てる前までは、新人の採用は大変だったそうですが、おしゃれな建物を建てて、建物にふさわしい仕事の仕方を追求し続けてきたことで、好循環が繰り返されてきたようです。

3.おしゃれなソフトウェア開発

それでは次の企業イメージをご紹介させて頂きます。
同じように少し記事風にしてみます。

おしゃれな建物や事務所というと、アプリケーション開発やコンテンツ制作などハードウェアを伴わない会社がよくそのような職場環境を整えているとお聞きします。

今回は、アプリケーションの開発を手掛けられている会社に訪問する機会がありました。この会社も大変おしゃれで近代的な建物でした。建物の中は、オープンな環境で、机も一列に並んでいなくて、働きやすくて自由な職場ということが伝わってきました。会社の業績も好調で、毎年着実に業績を伸ばされています。

そこで、同じように人の採用や定着率について伺ってみました。順調に業績を伸ばしている会社でも、技術者を採用することは容易ではないと伺いました。そこで情報系の仕事は技術者でなくても、適性がある社員であれば充分成長ができるので、採用時に適性をみて技術者として育成をされているそうです。採用後の定着率は良いため、採用後は安定をしているそうです。

4.昔ながらの製造会社

イメージ画像

それでは最後の企業イメージをご紹介させて頂きます。
同じように少し記事風にしてみます。

今回は、製造を手掛けられている会社の工場を訪問させて頂く機会がございました。建物は昔ながらの建物で、途中規模を拡張されたのですが、敷地がなかったため、すぐ近くなのですが工場が分散しています。

この会社も、以前は業績でご苦労をされていた時期があるとのことでしたが、3Sや5Sという改善活動を徹底されたことから徐々に業績が向上し、いまでは安定した事業を推進されているとのことでした。

3S活動の3Sとは、整理、整頓、清掃を意味し、5Sではさらに清潔、躾が加わります。事務所内、工場内のどこも、整理、整頓され清掃を徹底されています。これらのことを徹底していることで、清潔と躾も守られています。

確かに、3S活動は全社で本当に徹底して実践されており、トップダウンやボトムアップの3S活動というよりは、役員、社員が3Sを業務の重要事項として、率先してみなさんで推進していることが、伝わってきました。

そこで同じように人の採用と定着率について伺ったのですが、採用活動はされてはいるものの、採用で苦労をされている感じはしませんでした。定着率も非常によく安定しているとことです。

5.会社のビジョンと人の採用

3つの企業イメージをご紹介させて頂きましたが、皆様どのように感じられましたでしょうか。

ひとつは、おしゃれな建物は採用の重要な要件ではあるものの、建物以外でも大きな魅力を感じて入社される方もあるのではないでしょうか。

ソフトウェアの開発では、きれいな事務所環境も多いと思われますが、工場を持つ製造業ではソフトウェア開発のような業種より、おしゃれな建物は少ないかもしれませんので、工場では魅力がより際立っていることも考えられます。

また最初の企業イメージと3番目の企業イメージは、どちらも製造業ですが、見た目は大きく異なるようにみえますが、大きな共通点があります。じつは両社の共通点は、事業のビジョンが極めて明確であることです。そしてビジョンの達成に向けて全社員が理解し、率先し、徹底し、遂行されていることです。

働く環境は異なっていますが、明確なビジョンが大きな柱となって、働く目的や、仕事への達成感、モチベーションの維持などにつながっているのではないでしょうか。また採用時に、ビジョンに共感した人が入社することになりますので、その後の定着率も高くなる一因になると思われます。

最後までお読み頂きましてありがとうございます。今回のコラムが皆様の何かのヒントになれば幸いです。

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